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デッドエンド
官能リレー小説 - ファンタジー系

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デッドエンド 125

そして、自分の玩具を傷つけられることを望まず、守るつもりでいる。

私を幸せにし、守るつもりでいるのだ。
私のままの私を、独占したいと言っているのだ。

「たぶん私も誰かに…リオンに、そう言ってほしかったんだ」

それでいいと思えた。
根底にあるものが何であれ、その発露は私にとって、とても、優しい形をしていた。これ以上何を望めるだろう。

…私にも、その傾向はあるのだ。



*****


コンコンと、扉を叩く音で覚醒した。
「ルームサービスです」
続けて、ガチャと、扉を開ける音。
誰が開けたのか、と起きぬけの朦朧の中で考える。私ではない。リオン?
「どーも」
声変わり途中のかすれた声が、メイドにそう言った。
そこで私はようやく、ぱちりと目を見開いた。
レネーが朝食を手づかみしているところだった。彼は私に気づいて、のんきにあいさつした。
「おはよ」
「レネー…大丈夫なのか?」
私はあわてて身を起こしてレネーの全身に視線を走らせた。
頬に血の気が戻っていた。立ち歩くのに不自由している様子もない。何より、朝食をむしゃむしゃとむさぼり食っている。
「腹減っちゃって」
先に食べていることをとがめられたとでも思ったのか、レネーはいらぬ言い訳をした。
「そんなことはいい。体は?どこもおかしくないのか?」
「何もないよ。いつもより調子良いくらい」
ほら、とレネーがぶんぶんと肩を回して見せる。
私は、自分で思うよりも彼の容態を憂慮していたのだ。胸に落ちた安堵感に、ため息がもれた。
「そうか。よかった」
「心配してくれるのはうれしんだけどさ」
レネーが私をまじまじと見つめながら言った。
「服着た方がいいんじゃない?その前に風呂かな」
「え?」
彼の視線を追って、ようやく、自分がどんな格好でいるか自覚した。

裸の上半身を、レネーの眼前でさらしていた事実に、頭が真っ白になった。
風呂に入れと言われるとおり、腹や胸の合間に、固まって張り付いている透明のものがある。
毛布でレネーの目からは隠されているが、それは腿にもこびり付いていた。

あの後、ベッドでもう一度抱き合って、そのまま眠ってしまったのだ。
血の気が引く音が聞こえた気がした。
見たくなかったが、ベッドの右隣を横目で確認する。

…当然のように裸のまま、腕枕の体勢で左腕を伸ばして、爆睡しているリオンがいた。
「ひ、」
予想通り…というより必然的な結果に、のどから勝手に引きつった声がもれた。

「これ食い終わったら、シャツのボタンつけたげるから、ちょっと待っててねー」
レネーがからかうような口調でそんなことを言った。

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