PiPi's World 投稿小説

月の騎士
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 9
 11
の最後へ

月の騎士 11

「やはり女性同士、仲良くなるのは早いですね。」
「そうだといいんだがな。チラチラとお前を見てるのは気のせいじゃないはずだ。」
「?あ、拾ったGです。」ラムドは腰の道具袋に入った900Gを村長に手渡した。
「お〜、いつもすまないな。またタダ酒が飲めるってみんな喜ぶよ。」
その間も、女性陣のヒソヒソ話は続く。

「…って訳で、今晩はよろしくお願いします♪」
「あ、はい。ベッドをお使い下さい。」
気付けば夜。イラースの交渉により、彼女はラムドの小屋で一夜を過ごす事になった。
「お泊まりなんて久しぶりだねアリッサ♪」
「うん♪」
さらにアリッサとユールの姿もある。
「俺は床で寝るから、二人もベッドを使ってくれ。」床にアリッサの部屋から持ってきた布団を敷いているラムド。
「(わざわざ俺の部屋に三人も泊まる必要はあるだろうか。まぁ大きなベッドはこの小屋にしかないし三人とも楽しんでるみたいだから仕方ないか。)」
「ラムド殿、私達はお風呂に行ってきます♪覗いちゃダメですよ?」
「あ、はい。わかりました。」
この辺りで、ラムドは自分の置かれている状況を認識する。
「(もしかして…これは…。いやいや待て待て、三人は俺を信用して泊まるんだ。そうだ、許される事ではない。いやしかし、もしも覚悟があるとするならば女性に恥をかかすなど…いやいや違う、三人同時になんて不自然。」
この村に来てから、ラムドは最も動揺していた。浴室からは楽しそうに笑う三人の声が聞こえてくる。
「(違うそうじゃない、俺にはミサーラ姫が…それに俺の騎士道に…いや俺はもう騎士じゃない訳で…いやダメだ、ダメだダメだ、うん、ここは鍛練だ。煩悩をぶっ飛ばし…)」
「あら〜?アリッサちゃんおっぱい大きいわね〜♪えいえい♪」
「きゃあ!ちょっとイラースさん!いきなり触らないで下さいよ!」
「あ、私も私も♪」
「ちょっとユールまで!あーんやめてよ〜!」
「…ぬぬ、いけない、鼻血が…」
三人の会話を聞き、浴室の様子を妄想したラムドは鼻血を拭い愛用の剣を携え小屋の外へ出た。
普段使っている剣と違い、長い刀身と装飾が施された鍔の両刃の剣。銘はガラティーン。元々、城の宝物庫で眠っていた物を、王からセガイグが賜った。そして、セガイグからラムドに譲られ今は手の中にある。この世に二つの無い名剣。この剣は、使用者の魔力を封じる代わりに、全ての魔法を断つ力を持つと言われている。
ゆっくりと鞘から剣を抜くと、まるで持ち主を待ちわびていたかのように、月光を浴びた刀身が鋭く光った。
『君にはもっと、私に追い付く程に、そして私よりも強くなって欲しい。だからこそ、この剣を差し上げます。』

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す