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淫らなクエスト
官能リレー小説 - ファンタジー系

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淫らなクエスト 2

「ふっふっふっふっ。それは無理な相談だね。私おどかすのスキだもーん。…恐いのは誰でも一緒だよ。それでも、ヤッてくしかないじゃん?」

「…………」

皆一瞬の沈黙があった。実はアイラは、先日自分の唯一の肉親である姉が行方不明になったばかりなのだ。おそらくは、狩りに出掛けたが最後、魔物に敗北して、巣に連れて行かれたのではないかと…。

自分たちが弱腰になっていてはいけない。そう皆が口に出そうとしたとき、アイラが先に喋った。

「皆してそんな顔しないでよ〜。……私はお姉ちゃんを絶対見つけ出す。見つけたら、か弱い妹ほったらかしにした罰として、思い切りビンタかましてやるんだから。魔物になんか負けてられないよ。」 

そんなアイラにアリサは半ば尊敬の眼差しを向けて言う。
「強いんだねぇ…アイラは…」
アイラは軽く笑って言った。
「いやいやぁ〜、そんな事ないよぉ、アリサっち〜。…まぁ、ミーナっちが“狩り”にプレッシャー感じる理由も解らなくもないけどねぇ。あんな凄い人がママさんじゃあ…」
「もう、アイラ…!」
話題がミーナの母親に及ぶと、エリスが慌ててアイラをたしなめる。
ミーナは恨めしげにアイラを見て言う。
「…ママの話はしないでよぉ、アイラぁ…胃が痛くなって来るじゃない…」
「あはは…ゴメンゴメン」

ミーナの母親のラーナは自警団の中でもエリート揃いの“第一支団”の支団長を勤める優秀な戦士なのである。
35歳という普通であれば現役を退いても良い年齢でありながら、未だに最前線に立って戦い続け、団員達からの信頼も篤く、彼女に憧れを抱いている者も少なくない…半ば自警団の象徴的な存在と化している。
そんな母がミーナはプレッシャーだった。

沈むミーナを気遣ってか(沈めたのは彼女だが)アイラは話題を変えた。
「…あ!ところでさぁ〜、みんなはもう済ませたぁ?」
「何を…?」
尋ね返すミーナにアイラは心なし声を潜めて言う。
「何って…そんなの決まってんじゃん。初エッチ♪」
「えぇ…っ!?」
「もぉ〜、アイラったら…」
「……っ!!」
ミーナは驚き、エリスは「やれやれ…」といった風に肩をすくめ、アリサは顔を真っ赤にしてうつむいてしまった。

男性がいない世界のため“夫婦”という概念は無いが“恋人同士”という考え方はある。
中には(この世界にもかつては存在していた)男女の夫婦のように共に暮らすカップルも少なくない。
いくら愛し合っても二人の間に子供は出来ないが、パートナーが魔物との間に産んだ子供を二人で育てる事もある。
この世界、この時代なりの家族のあり方である。

当然、セックスをしたから言って、周囲の人間から同性愛者だと揶揄されることなどはない。
セックスといっても、お互い男性器は持っていないので、バイブ等の道具を使って肌を重ねることが、一般的なセックスの有り様であるからだ。

「初エッチかぁ…やっぱり狩り前に済ませといた方が良いよね?参ったなぁ…私そんなの全然考えてなかった…」
「わ…私も…」
戸惑うミーナとアリサ。
「な〜んだ、二人ともまだなの?…まあ魔物で処女散らすのも有りなんじゃない?」
「「それは絶対にイヤ!!」」
「…ボクは初めてをあげる相手はもう決めてる…」
エリスが頬を赤らめながらボソッと呟いた。
「マジ!?」
「そ…その人って誰なの!?やっぱり同期の中の誰か!?」
「てゆうかもうヤったの!?」
三人は興味津々といったように質問責めにする。
「ま…まだヤってないよ!その…なかなか申し込むキッカケみたいな物が無くて…」
「な〜んだ…」
「…てゆうか誰なの?エリスが初めてを捧げたい相手って…」
「それは秘密!…でも、その人はボクが尊敬してやまない人…ボクの憧れなんだ…」
明後日の方向を見て目を輝かせて語り始めるエリスに背を向け三人は小声で話し合う。
「…誰だろ?」
「同期じゃなくて先輩じゃない?」

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