無人島の女神様 1
僕の名前は佐藤桐谷。飛行機が島に落ちた時のショックで名前以外何も思い出せなかった。ちゃんと調べないと分からないけど。たぶん、生存者は僕以外いないだろう。
「動かないでください。魔法でケガを治しています。」
変わった服を着たすごく綺麗な女の人が僕を抱いていて、彼女のやわらかいおっぱいが僕の顔に当たっていた。
その魔法ってやつが効いてきたのか、体中の痛みが無くなってきた。
「私の名前はフローラです。治療の続きはお城に帰ってからやります。」
フローラという人が小声でつぶやくと、僕たちは光に包まれてそして、ゆっくり目を開けると建物の中にいた。
「イリーナお姉様、治療を手伝ってください。」
「ええ。分かったわ。すぐ、医務室に運びましょう。」
なぜか、僕は再び気を失ってしばらくすると僕はゆっくりと目を覚ました。
「良く寝ていらっしゃいましたね。体の具合はどおですか?」
「まだ少し重く感じるかな。てゆーか、君はだれ?ここはどこ?」
「私の名前はフローラ、女神です。ここは私の部屋です。あなたは大けがをしていて医務室で治療されたあと私の部屋に運んでもらいました。先ほど検査をした結果、記憶喪失ですね。それ以外は健康のようです。」
「そして、ここはあなた達の居た世界とほんの少し『軸』がズレた世界…あなた達が言う『異世界』とでも言えばしっくり来るかも知れません。」
後ろからフローラさんとうり二つな声が聞こえ、僕は思わずそっちを向いた。
「その方は無事に目覚めた様ですね、フローラ。」
「はい、イリーナお姉様。」
イリーナと呼ばれた人はそのままフローラさんの横まで歩いて行き、共に僕の方を向いて立っている。
二人の佇まいはそっくりで、名前を言われなければどちらか分からない程だった。