朝、目が覚めると……… 46
蓮は悩んだ。確かに胸は大きくしたい、しかしこんな方法で大きくしたら…なんか嫌だ。
大きな胸には確かに憧れている。しかし、この方法では自分で自分を騙してしまうことになるのではないか?いや、自分だけならまだしも帝達まで騙したことになるのではないか?
蓮は自分のなだらかな胸を見て、幼馴染み達の豊満な肢体と比べた。
「…帝も大きい方が好きなのかな?」
「最低Fよ」
バストアップ条件に悪魔(死神です)に魂を売ったか蓮!
「間を取ってEでどう」
増やすならFもEも変わらんだろうとか思いつつも、交渉に入るフレイ。
暫し熟考の末、蓮は口を開いた。
「……それでいいわ」
やはり、胸の魔力には勝てなかったようだ……
フレイはそれを聞くと、懐から小瓶を取り出してポンと投げる。
小瓶は鏡から飛び出すとコロコロと蓮の足元に転がった。
「それに入れて頂戴ね」
フレイがそう言って手を翻すと、蓮の胸がポコンと膨らんだ。
小さな身体に大きな膨らみ。蓮が望んで得れなかったものだ。
感嘆の息を漏らし、膨らんだ胸を触る蓮。
この柔らかさと弾力、そしてボリューム……どれだけ夢みたか分からなかった。
「先に大きくしといたけど、夢でもないし引っ込む事もないから……ちゃんと瓶に入れてきてね……そろそろ来そうでしょ?」
「うっ、うんっ!」
頷いてトイレに走る蓮をフレイは楽しそうに見送っていた。
「実は変えたの胸だけじゃないんだけどね……まあ、必要なもの取るついでだし……そんな蓮ちゃん相手に野獣になる帝クン……ふふふっ、楽しみだわぁ……」
結局、ただ楽しんでただけなのね……
「あらぁ?それだけじゃないわよ。…胸だけ大きくしたらバランスが悪いでしょ?だから蓮ちゃんのスタイルもずいぶん変えたし、性格もだいぶ変えておいたわ」
いや、そんな話じゃなくて…
「ふふっ…さっきの事?それはお楽しみ♪そろそろ、あの子が戻ってくる頃ね」
しばらくすると蓮が戻ってくる。最初とはずいぶんと印象が変わっていた。
小柄だった蓮の体は、大きな胸に相応しく飛鳥にも負けないプロポーションに。幼い顔つきで可愛らしい感じだった顔もちょっと大人っぽい雰囲気になり、名実ともにとっびきりの美少女になっていた。
「…これでいいんでしょ?」
優しげで澄んだ声とともに小瓶を差し出す。真っ赤に染まった瓶を見て思わずフレイの口元が綻んだ。