俺様生徒会長?! 15
なんとかごまかせた椿は怜と教室を後にしました。
−帰り道
怜はずっと黙ったままでした。
「……怜?」
「ん?」
「なんか怒ってない…?」
「別に」
そんな重い空気の中椿の家に着いた。
「じゃぁな。」
「…うん。」
私が家の門に手をかけた時に
「あっ。椿明日と明後日暇か?」
「えっ?…うん…暇だけど。」
「じゃぁ明日俺の家泊まり来るか?」
思ってもいない怜の言葉に椿は固まってしまった。
「無理ならイイぞ。」
「ううん!行く!絶対行きます!」
「はは…何興奮してるんだ?じゃぁ明日のお昼位に迎え来るな。じゃぁな。」
(あっいつもの怜だ…それよりも学校以外で怜に逢えるなんて…しかも怜のお家にお泊まり………って何考えてるんだろぅ私)
自分の妄想に照れながらも家に入る椿。
−ガチャ
「ただいまー。」
静まり返った家。椿の両親は椿が高校に入学して少しした頃から単身赴任で今は椿1人で住んでいた。
最初母親は残っていたのだが父親が慣れない環境で体調を崩し母親も向こうに言ったのだ。1人残された椿だが毎日母親とメールや電話でやりとりしていた為不思議と寂しくはなかった。
椿は靴を脱ぎ二階の自室で着替えを済ませて一階へ降りた。
トゥルル〜トゥルル〜トゥルル〜
「えっ電話…嫌な予感…?」
一階に降りた途端、電話が鳴りだして驚く椿だが、取らないと大変な事が起きるのを感じて電話を取りに一階の居間へ走った。
ガチャ。
「もっもしもし…」
「おお椿ぃ〜会いたかったぜ〜」
「れっ怜、何か用なの。」
受話器をとるなりこの世で苦手な男で彼氏の怜のいやらしい声を電話で聞き椿はむっとする。
「椿、そうむくれるな。お前、一人何だろう〜俺のマンションに来い夕飯を奢るぜ。」
「エッ……」
怜の思いがけない誘いに椿は思わず驚いてしまった。
「あれ…でも明日じゃなかった?」
「嫌なら来なくていいぞ〜。」
「…行きます。」
怜からマンションの場所を聞き用意をして家を出た。
(確かここだよね…?部屋は807号室か…)
−ピンポーン
「怜?」
「おぉ〜椿か。鍵開いてるから入れよ。」
「おっおじゃまします。」
玄関を開けると少し陽気な怜の姿があった。
(なんか…お酒臭い。怜酔ってる?)