学園の牝 13
勇み喜んだ浩二は悠の存在などすっかり忘れて獲物の物色を始めた。
浩二の狙いはここで一番反抗的な牝奴隷だ。
淫乱過多もおもしろそうだが、どうせ特別教室に来たのだから思いっきり楽しんでやる、そう思ったのだ。
「・・・・・・?」
教室を見回すと、1人おかしな生徒が目についた。
浮いているなんてモンじゃない。
牝奴隷しかいないこの教室で、そいつだけが男子の制服を着ているのだ。
しかもこちらを見る目つきが尋常ではない。
まるで視線で射殺さんと言わんばかりに見つめているのだ。
「・・・ここって牝奴隷しかいなかったんじゃないのか?」
さっきから自分らに絡み付いてくる牝奴隷に尋ねてみる。
すると彼女はすこし頬を膨らませながら答えた。
少しプライドが傷ついたらしい。
「・・・ああ、あのコ?やめといたほうがいいわよ。
あのコはここにもなじめないはぐれ者なんだから・・・」
「『あのコ』?もしかして・・・」
「そ。あのコ、自分がオトコノコだって思い込んでんのよ。
男子の制服着てるけど中身は女のコよ」
それを聞いて浩二は納得した。
男尊女卑のこの時代、社会になじめない女性は少なからず存在する。
そんな中、まれに社会になじめない女性の中で、産んだ子供の性別を偽って守ろうとする変わり者がいる、とテレビか何かで聞いたことがある。
それがあの男装牝奴隷、というワケか・・・!
その瞬間、浩二の心は決まった。
「悠!悪いけど、俺はこれからアイツをオトしてくるからここでお別れだ」
「え?」
怯えることしかできなかった悠は、突然の言葉に驚く。
「何、おまえくらいのヤツならこいつらともうまくヤッていけるさ、じゃな!」
「ちょっ・・・!?」
悠の制止を振り切って、浩二は一直線に獲物の元へ向かっていった。
残された悠が、見るからに飢えてそうな女生徒にたかられていたようだったが、その話は後に語るとしよう。
男装牝奴隷の前に座った浩二は黙って獲物を見つめる。
一方、相手の男装少女は怒りと憎悪のこもった視線で、さっさと失せろと言っている。
だが浩二はそれを無視して話しかけた。
「名前は?」
「・・・・・・」
「名前は?」
「・・・鈴原」
「フルネームで」
「・・・・・・」
「フルネーム」
「・・・鈴原、誠。わかったらさっさと消えてくれないか?
目障りなんだよ」