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淫蕩王伝―再誕―
官能リレー小説 - ハーレム

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淫蕩王伝―再誕― 30

それにジュディが応じた。
「それを呼びに行った人、呼びに行こうとした人、全員が死んでしまった。というわけね。」
開拓村であるリュフェスには、戦神ボグザの神官が常駐していたが、彼も今は重症で動けなくなっている。
彼も最初に発病した一人だった。
彼によると、発熱した時にすぐさま自身に治癒魔法をかけてみたが、一時的に熱が下がるだけでまた上がったらしい。
そこで、エリカが言った。
「じゃ、私と神官以外のメンバー全員で急いで戻り、事の次第を報告して助けを出してもらいましょう。」
ジークが意見を言った。
「おい、世話する神官は別として、ここにモンスターが来ないという保証はないぞ。誰か他にも残るべきだ。それにエリカさんは来てくれ。」
「駄目よ。まだこの病気の調査は終わってないもの。急いで中間報告書と手紙を書くわ。1通は宰相閣下、もう1通は魔術アカデミー、あと1通は私のお祖母ちゃんに。必ず渡してね。」
そう言うと、エリカは奥へ行った。
「一方的だな・・・・」
トニーが呟く。
「でも、同じ魔術師として彼女の気持ちはわかる気がする。この疫病って、怖いけど同時に知的好奇心を刺激されるネタでもあるもの。」
ジュディはエリカに共感したらしい。
「回復役無しで急ぎ戻る、世話役は必要・・・・・・なら、ユタカは置いていくべきだな。」
オスカーが意見した。
「ああ。この中で戦闘経験が足りないユタカはこの場合置いて行った方がいいだろう。」
トニーがオスカーに賛同し、理由も述べる。
豊も、足手まとい呼ばわりには気分を害したがそれを押さえ、意見を述べる。
「あの・・・・絶対に救援を呼ばないといけないんですよね。だったら残るのはエリカさんと僕と神官の人だけにして、出来るだけ戦闘力を上げた方がいいと思います。」
ジークが確認する。
「ユタカ、君はいいのか。それとハリー、オルトン、セーラちゃん、君たちは。」
「私はジークの決断に従おう。」
ハリーは言った。
「回復役無しでの急行じゃ。人数は多い方がいいじゃろう。ユタカを残してくれるだけで十分じゃわい。」
オルトンも賛同した。
「私も・・・それでいいです。」
セーラも賛同した。
「よし、決まりだ。残るのはエリカさん、ハリー、オルトン、セーラちゃん、ユタカ。残りは俺と共に全速力で戻ろう。」
「ちょっと待ってください。」
エクシスだった。
「死体はどうしますか。放置すると別の疫病がでるかもしれませんよ。」
「・・・・・とりあえず、今すぐ焼こう。」

「これで全員だな。」
ジークが確認するように言う。
「ああ。もう残ってないはずです。」
エクシスが言った。
「これだけ死体が集まると、本気で悲しいな。」
オスカーは呟くように言った。
村の油や薪が集められ、死体にかけられる。
「本当はきちんと葬式を出したいところだが・・・・すまない。許してくれ。」
皆の見ている前で、死体は焼かれていった。
その炎を前にして、皆が黙とうするのだった・・・・・・・

「できたわ。これが書状よ。」
仮葬儀を終えてまもなく、エリカが出てきた。
かくして、エリカの書状を受け取ったジーク達は戻っていった。


翌日の夜。
「もう、ふらふらです・・・・本当に、助けられるのでしょうか・・・・。」
セーラが弱音を吐いていた。
だが無理もない。3人の神官は全力で生存者に治癒魔法を施して延命を図っていたのだ。
今、豊とセーラは星空を見上げて休憩していた。
ボグザ神殿内ではハリーとオルトンが、病状の悪化した者に順次治癒魔法を施している。
ついさっきも、村人の一人が息絶えたばかりなのだ。治療を始めてからすでに、五人が亡くなっている。
昨日燃やした病死者の亡骸を埋める事さえできていない。
神殿に一歩足を踏み入れると、いたるところから病人のうめき声が聞こえる。
なまじ延命しているために声が出せてしまい、結果として豊やセーラ達の精神に重圧となってのしかかっていた。
「あなたたち、今日はもう寝なさい。」
「エリカさん。」

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