かよちん捕獲大作戦 1
スクールアイドル甲子園ラブライブ、それは全国各地の女子高生にとって憧れであり、輝かしい大会だ。出場する少女達はそろって笑顔や若さを振りまき、見る人にも希望を与える。だがそれは時に、強い執着を生むと言う暗い一面もあるのだ。
俺は都内の某男子校に通う一年、白崎隆弘、運動も学業も平凡であり、顔も平凡、まさに凡人を絵に表したような人物だ。だが、そんな俺にもスクールアイドルファンという趣味があり、そして音之木坂学院のアイドル μ'sの一ファンだ。実を言うとメンバーの一人、小泉花陽とはかつて同じ中学出身だったのもあり、それ故にファンを始めた事もあるのだ。
ある日、俺は高校の同級生たちを家に招き、オンライン中継を見ていた、丁度ラブライブ秋季大会の第一回予選があり、リアルタイムでの配信が行われているのだ。
「これこれ!これが小泉花陽、中学時代同じクラスだった」
画面に映る小泉を指差す。
「スゲ〜、超可愛いじゃん!」
「白崎、おまえこの子と知り合いだってことなんで早く教えてくれなかったんだよ?」
「ひょっとしてこの子お前と昔付き合ってたとか!?」
「そ、そう言う訳じゃねえよ!今日たまたま配信だったから折角だしと思って…」
友人の平賀と折木、可児江の三人は、モニターに張り付いて踊り歌う花陽の姿に目を奪われてる。
「で、この子今は音之木坂に居るんだっけ?」
「ああ」
「まじかよ〜、女子校か〜、共学だったら知り合うのも楽だったのに〜」
悔しそうに平賀が言う。
「ああ、実は小泉、男が苦手らしい、だから女子校の音之木坂に行ったたしいぞ」
「まじかよ〜」
「いや、べつに男を嫌悪してるわけじゃない、ただ同じ中学の女友達が言うには相当なあがり症らしくてな、そんで親の勧めであそこを選んだらしい」
「それでよくアイドルなんかやれたもんだな・・・」
興味津々に可児江は花陽の姿を観察する。
「しっかし、よく見るとエロい体つきしてるよな、背が低いわりに胸結構あるし」
「エロ平賀、自重しろ」
「なあに、男なら普通さ!」
開き直る平賀。