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龍の覚醒
官能リレー小説 - 同性愛♂

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龍の覚醒 43

深夜になりつつあるとはいえ、まだまだ大通り周辺は騒がしかった。
なにかの二次会らしき集団や看板を持った客引きが騒いでいるのが目につく。
営業している店も少なくはない。俺はこんな時間帯に町に出たことがないのでどこか新鮮に感じた。
元々町に出て遊ぶタイプではないし、孤児院を出てすぐに自衛隊の寮に入ったしな…。
車というと止まる気配がない。どこにアジトがあるのかさっぱり見当がつかない。
どうせ一時しのぎのダミーの組織だからこそ予測が出来ない。話題も無いのでとりあえず聞いてみる。
「なあ…どの辺にあるんだ?」
「そろそろかな」
この頃には大分町から離れていた。目に見えて人通りがまばらになってきている。
しかし、町外れというほどでもない。営業中の店は普通にあるし騒がしい。
後ろを見れば市街地のネオンがはっきり確認できる。
「あからさまなゴーストタウンにあるより目立たないのかもな」
それにどうせ使い捨てにする気らしかったしな…。
「ああこの辺りは飛翔会の縄張りだからな。この街全体が飛翔会によって成り立っているといい…」
「それじゃああの組織も、飛翔会と関わりがあるってことなのか?」
「いや多分上手く言って潜り込んだんだろう…飛翔会に守られている地域だったら、警察も無闇に手出しは出来ないからな…」
「無法地帯ってことかよ…?」
「ああ、お前も精々気をつけるんだな…好青年のレイプ事件なんて起こっても、誰も助けちゃくれないぜ…」

大通りの様子を見た感じではダークな雰囲気は無かったので意外に思えた。
「裏ではそんな事になってんだな…」
「しかしまあ、それはそれで安定し秩序が保たれているから逆に良いのかもな」
その考えもわからないわけではない。とりあえずは水龍の家がこの町になくて良かったと安どした。
水龍の自宅は基地を挟んだ向こう側だ。

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