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龍の覚醒
官能リレー小説 - 同性愛♂

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龍の覚醒 20


当然の如くそれは他の隊員からの嫉妬の対象となった。
入隊当時には気さくに話していた奴らですら、俺のことを妬んでいるのはあからさまに分かった。
それでも無視されるのは孤児院でも慣れていた。
返って面倒な関わりを持たない方が俺にとっては楽でもあった。
それなのに、そんな俺を奴らは放っておいてはくれなかった。

訓練時間が終了し更衣室に入ったその瞬間、俺は突然羽交い締めにされてしまう。
「な、なんなんだ!」
声を荒げる俺を見下すかのように、迷彩服の男たちがニヤリと頬を上げた。

「これはこれは優等生の神大龍くん、そんな怖い顔するといい男が台なしだぞ‥」
ペンペンと軽く俺の頬を叩く男…新隊員班長の風間琢磨だ。
「何すんだ!俺が何をしたって言うんだ!」
俺は風間を睨みつけた。

ズボッ!!
意気なりに腹に拳が入り、俺はその場に崩れ落ちそうになる。
もし羽交い締めにされていなかったら、風間の前に膝を着いていた筈だ。

「ああ確かにお前は何もしてはいない…けどな、隊員には統一ってもんが必要なんだよ…」
「そ、そんな言い掛かりだ!」
「おやおや、お前は団体生活ってもんをちっとも分かっちゃいねーようだな…」
ズボッ!!
2発目の拳が腹に入り、俺は「ゴホゴホ」と咳き込んでしまう。

それでも硬く割れた俺の腹筋は、こんなことは何とも無かった。
続け様に何発もの拳を受けようとも、身体に力を込めた俺は怯むことすらなかった。
はぁはぁはぁ…
終いには風間の方が息を上げる有様だった。
「ち、畜生…こいつ、鋼みてーな身体をしてやがる…」
「こんな鍛えられた身体に何をやっても効き目はありませんよ…」
「じゃあ、どうすりゃいいんだよ?」

怖気尽く男たちの中からボソっとした声が上がる。
「幾ら身体を鍛えているからといって、アソコまでは鍛えてないんじゃありません?…
それにコイツの男としての尊厳を打ち砕かれる姿…見てみたくありませんか?」

俺はぞっとした。
男同士の行為にではなく、そういう事を言いだせる神経に。
それに俺は水龍以外に体を許したくはない。
確かに見られたい願望はあるが、それとこれは別だ。こんな奴に尻を突かれると思うと吐き気がする。
全員今すぐ殴り倒してしまおうか、そう決心した時周りの男達の手が緩んだ。

その誰かの下品な提案に風間達はすっかりその気になってしまったのだ。緑のズボンの前が硬く突き出している。
「そ、そうだな。殴って駄目なら男として滅茶苦茶にしてやろうか…」
なんだか様子がおかしい、と感じた。強力な媚薬を撃たれでもしたらこうなるだろうか。
風間達は俺を脱がせるより先に全裸になっていた。俺は奇妙な感じに動く事が出来なかった。
俺に男として恥をかかせるつもりなのに、自分達が先に全裸になってどうする…。
呆れながらも、周囲を確認する事は忘れない。
剥き出しのコンクリートの壁に背を着き、腕組みする男を見つける…
皆が全裸になっているにも関わらず、その男だけは高み見物とでもいうかのように、着衣のままだった…

アイツ…誰だ?…
俺は風間たちに迷彩服を脱がされながらも、その男のことが気になって仕方なかった…

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