特戦児童 レンジャーボーイ 1
序章 運命の子 両親が“普通の人”では無かった
僕の名は榎 諒、何処にでもいる小学四年生……だったのは数時間前の話、帰宅すると何時も居るはずの母親が居ない。ランドセルを置いて僕は両親の寝室に、ドアが少しだけ空いていてノブに触れた瞬間ドアが開き自分の体が何かに巻き付き天井につるされた。
「!!!!」
「ほほっ、よもや幼子まで設けているとは……美形じゃぁのぉ」
肌露出が多く最早Hな事をする下着では思える恰好をした女性は肌の色が紫で下半身が蜘蛛……特撮ではない、本物だ。全身をラバーの様なモノで覆われた戦闘員によりベットの上で身動きが取れに状態の母親が叫ぶ。
「諒には、手を出さないで!アラクネ!!!!」
「ふん……一度脱したとは言え怪人因子は残っておる事は確認しておる、我が組織の再建に協力して貰うぞ」
不快な音と強い閃光により諒は気を失った。
「ちっ、遅かったか」
榎 陣は寝室の壁を叩きめり込み、長男の将も舌打ちする。背後には二人の勤め先である特務警察隊の面々が臨場している。
「元怪人だった被害者が消えていたが彼女まで……」
「あいつは人間です」
「分かっているさ……だが怪人因子数値が高かった事が気がかりだったが、止めても無駄か」
上司はこの二人を止める事は出来ないと思っていた、それにしても人の欲は何処までも罪である……。
一昔、遺伝子工学がある事情により発達し各国は競争状態……そんな時に某国にてバイオハザートが発生しウィルスとナノマシンにより他の種と人間の種のDNAが混ざった怪人が誕生してしまったのである、それはある狂信的な科学者が自ら引き起こしたのだ。しかし日本を初めとした先進国とその友好国は対応策を構築し、その科学者は始末された。その一人が榎 陣、彼は特装警察“アーマーポリス”のリーダーである。まあ怪人化した女性を救いそのまま結婚した伝説の猛者でもある……。
「万が一の時は俺がヤル」
それが夫として、アーマーポリスの先駆者としての覚悟だ。
「滅んでなかったのだな、人類救済教は」
人類救済教、某国で発生したカルト教団であるのだが狂信的科学者であるネロにより乗っ取られた組織である。某国ですら飲み込まれておりその影響は今でも続いている関係上、各国外務省は“渡航制限”処置だ。日本とは前世紀の列強時代に遺恨がある国であり当時から外交は拗れていた。
「あれを隠し通せなかった先進国の罪かもな」
上司は頭を掻きつつ関係各位に説明する言葉を脳内で考えていた。襲撃者はアラクネ……巨大な蜘蛛と融合した幹部の一人だ。
人類救済教の新本拠地に連れ込まれた僕が見たのは母親同様“元怪人”とその子供ら……一家揃ってもある、何れも昆虫の標本の様に拘束台により固定化、排尿も排便も挿し込まれた管により処理され天井にあるリフトが運ぶと自動化されていた。僕も母親も全裸にされるなり拘束され戦闘員により視姦された。
「ふふ、彼らはこうして眺める事が喜びになるようにしてあるわよ。何れも社会から弾き出された者……普段の生活では“警察に逮捕されない”様に調整されているの……参加しているのはストレスを吐き出す為にね」
アラクネは手を叩くと一人の戦闘員が頭部全体を覆うマスクを外した、それは諒が通う水泳教室のインストラクターしているお兄さんだ。眼は血走り諒の全裸を見るとアラクネは微笑む。
「そして情報収集の道具にもなりうるのよ、先程の条件範囲で行動する様になっているのよ……無論報酬は金銭ではない、ここでは欲求を満たす事になっているの……大丈夫よ、徐々に慣らしてあげるわ、カワイイ妹の子供だもん」
母はそのまま構成員らに抱えられて証明の範囲内から消えた。
「じゃあ、諒君の調教は私がするわ……」
半円形状の器具を二つを諒の首に挟み込むと器具が音を立てて首輪になりチクっとした。一瞬目が眩むが拘束器具は外れた。
「これで諒君の体は私の管理下よ」
諒は理解した、逃げ出したいのに体は正座したままお辞儀をしたのだ。
「これが私の様な幹部にあった際のお辞儀の仕方ね、管理コードを刻むわよ」
ハンドドリルの様な器具を手にしたアラクネは諒の左目下とお尻にバーコードを刻み込む、普通なら激痛が走るのだが神経をブロックしているのだ。
「諒君の最初の仕事はこのインストラクターのお兄さんである戦闘員00348Kの願いを叶える事」
起ちあがった諒の体は自然に歩く、性器を隠す事も無く……戦闘員00348Kは股にある器具が外れペ〇スが外部に露出しラバースーツの一部が開き鼻と口が露出した。
「ああ、アラクネさまぁ光栄です!!!」
最早諒が知っている水泳インストラクターは見る影もなかった。