覇王の腕輪 1
「覇王の腕輪ねぇ・・・」
ベットにうつ伏せになったまま、天上を見上げるこの物語の主人公高崎 稜(タカサキ リョウ)。
彼の手には、数時間前に手に入れたある腕輪があった。
それは覇王の腕輪と呼ばれる代物である。
数時間前、彼はバイトから帰る途中、ある一人の老人に出会った。
その老人が言うには、覇王の腕輪には不思議な力が込められているらしく、所有者の願いを何でも叶えてくれるらしい。
稜は別にそんな迷信みたいなものには興味なかったが、腕輪のデザインが気に入ったので、老人からその腕輪を譲ってもらったのだ。
稜は老人から貰った腕輪を装着してみる。
しかしなんらおかしいところもなく、普通の腕輪にしか見えなかった。
「何でも願いが叶うねぇ・・・だったらエロい世界がいいなぁ。世界中の女を俺好みの巨乳爆乳にして、俺の言う事には絶対服従で、学校も俺以外の男をいなくして、それからetc・・・」
それから稜は十数分間、自分の願いを腕輪にぶつけた。
「いろいろ言ったけど、めっちゃ自分勝手な願いばっかだな。どうせ叶うわけないし、もう寝よ・・・」
そう言い残し、稜は目を閉じる。
しかしその直後、腕輪に施されていた装飾が輝いていたことに稜は気付く事はなかった。
ピピピ・・・ピピピ・・・
(あれ?もう朝か・・・)
翌朝、あのまま就寝した稜は気付けば朝を迎えていた。
昨日自分が腕輪に願ったことなどとうに忘れ、目覚ましを探す。
(え〜と、目覚ましは・・・むにゅ)
「・・・あんっ」
「えっ?」
目覚ましを探していると、布団の中から変な声が聞こえてきた。
それに稜の手には妙に柔らかい感触が広がる。
稜はその正体を確かめるべく、布団を一気に剥ぎ取った。
「うわぁああああっ!?」
布団を取り払うと、そこには一人の少女が寝ていた。
リボンの付いたツインテールでピンクのパジャマが肌蹴て妙にエロイ。
何を隠そうこの少女こそ稜の妹の芽衣(メイ)である。
だが明らかに違うのはそのパジャマの中に隠された胸である。
芽衣は元々胸は大きくない。
それもA、悪く言えばAAカップくらいの大きさだ。
それが今ではパジャマの中にメロンを仕込んでいるかのごとく、大きく膨らんでいるのだ。
(芽衣、なのか・・・芽衣そっくりに見えるけど、でもあいつこんなでっかい胸じゃないしな・・・)
「あれ・・・お兄ちゃん、おはよう・・・ふぁあ」
気が付くと、芽衣が起きてしまった。
「お、おはよう・・・芽衣」
「おはよう、お兄ちゃん♪」
「め、芽衣・・・だよな」
「? 芽衣は芽衣だよ・・・どうしたの、お兄ちゃん?」
「だって、その胸・・・」
「胸?ああ、この間測ったら91になっちゃった。カップはHだって、あははは」
「91ぃ!?」
昨日まで胸が大きくならないと嘆いていた芽衣が91のHカップだって?
一晩で10いや20センチも大きくなった話なんて聞いたことがない。
「お、お前・・・昨日まで胸が大きくならないって泣いていたじゃないか!?」