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脱獄犯No,0013
官能リレー小説 - その他

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脱獄犯No,0013 1

港町リリール
潮風と澄んだ空気に包まれた活気ある町。
人々の愉快な笑い声と蒸気船の汽笛が響き渡り、海鳥の鳴き声と波が立てる静かな音が優しく町を包む。
「ああ・・・ようやく帰ってきた・・・」
そんな美しい港町に一人の男が帰って来た。
その胸の中に復讐心と言う名の灼熱の憎悪を携えて。
その男犬飼高次は2年前、身に覚えのない痴漢の容疑で逮捕された。
その時、少女が嘘をついて、犬飼が逮捕された。
その女に復讐するために港町に帰って来た。

犬飼高次…彼はその名前から想像出来る通り日本人である。もともと旅が趣味だった彼は、この海沿いの小さな国を一度訪れただけで気に入り、この港町リリールに移住したのであった。そこで彼は海の見える丘に小さなレストラン兼ホテルを開いた。そこは大人気…とまではいかないが、良い雰囲気の宿として結構な評判となった。さらに小型船を購入し、天気の良い日には客達を乗せて沖に釣りに行った。ホテル開設時と船の購入時に作った借金は順調に返済していった。
やがて高次は一人の少女と恋仲になった。彼女はマリーという地元の少女だった。彼女の父親はリリールの街のちょっとした顔役で、高次がホテルを開く時に何かと力を貸してくれた。その縁で高次とマリーは親しくなったのだ。そして借金を完済した日、高次はマリーに告白してマリーもそれを受け、二人は婚約した。高次は幸せの絶頂だった。そう、あんな事が起こるまでは…。


その日、高次は日本人の少女に嘘の痴漢の容疑で訴えられて逮捕された。
この少女は日本で同じように痴漢で訴えたら、後で嘘である事がばれて日本にいられなくなったのだ。

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