交差 8
「優紀は、モテるからいいよね」
いきなりの言葉に、この後の言葉を探る。
なにを言い出しんだ?
「私さ、学生の頃からモテたってことないから。好きだって言ってくれたのに、なんでか次の日には『なかったことにしてくれ』なんて言われて。綺麗じゃないし、そりゃ、モテないってしょうがないってわかるんだけどね。でも、でもちょっとくらい好きです!って言ってくれる人、いてもいいじゃない?なんにもなんだよね。」
そうしていたのは、優紀と詩織の兄が原因だとは、気付かずいてくれたのが、幸か不幸か....
「そんなに私って、ダメなのかなぁ?直人はね、可愛いって言ってくれたの。綺麗と言うより可愛いって。なんか初めて言われちゃって、嬉しくなってね。」
そんなこと言ったんだ、アイツ
免疫が少ないから、ちょっとの言葉で反応するからな....油断してた
「直人と....付き合ってみようかな。直人が良いって言ってくれたら、だけどね。私なんかと付き合ってくれるってないかもしれないけど。でも、言ってみようかな?って。可愛いって言ってくれたんだから、少しはって思うじゃない?」
(は?)
「直人?直人と、ですか?」
あまりにも予想外の言葉に動揺するなと言う方が無理で。
いやいや、それは....
なんで直人と?
「ほら、もちろん皆には秘密で。直人も働きにくくなるかもしれないから。でも、優紀は直人の上司だから、わかってくれてた方が、いいかなって」
照れてる....
こんな詩織見るの初めてかもしれない。
こんな顔させること出来るなんて...
直人のヤツ
「ね?優紀は....どう思う?」
拳を握り締め
「社長が、そうされたいのでしたら私は何も」
「それって、室長発言でしょ?優紀としては?」
「.....ボコボコにしてやりたいです」
うつ向いて肩を揺らす詩織
(泣いてる?)
そこまで直人のこと....
笑いだしやがった
「ボコボコって!直人、可哀想!」
(ヤられた.....)
直人だけでなく、自分もハメられたことに気づく優紀
「好きなの?」
ぬけぬけと言い出す詩織に、違いますとは、もう言えない
「好きです。だから、もう今日みたいなことは控えてください。またやったら....お仕置きですよ?社長でも」
「お仕置きって何するの?」
そう来ますか...
「お、お仕置きはお仕置きですよ...」
「ふっ、いつもの口だけなんでしょ?」
いつものって事はないでしょ?...
「考えておきます。」
「そうやって思わせぶりな態度取るの、昔から上手いのよね..」.
人をホストみたいに言わないで下さいよ...
「それじゃ、貴女がやられたく無いことをお仕置きにします..」
「ふふ、何か楽しみだは.....直人の所に行ってこようかな?」
お、おい...アイツは今、トイレの個室で格闘してるんですよ...
「そ、それはアイツも困るでしょう...」
「なんでぇ?なんで私が行ったら直人が困るのよ?」
...それを僕に言わせるんですか?...
「だから...1人で耽っている所を他人に見られるってのは、男の恥じです。」
「へぇ〜そうなの...男って大変...
優紀も1人でシたりするの?..」
そんなこと言える訳ないです...:
「優紀モテルくせに、ずっと彼女とかいないよね...」
彼女がいても、男は1人でもシますから...: