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檻の中
【熟女/人妻 官能小説】

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最終章-1

ぎこちないキスを繰り返していた創は、沙良に向き直りまた顔を強ばらせて『あいつがずっと浮気してたのも結構前から知ってた。でもそれも決定打にはならない。あいつに“ただの浮気だ”って開き直られたらそれで終わりだ。だから…あの男から三行半を叩きつけたくなる何かを考え出さないといけないと思った…。…真は…、あの結城真は俺のモデル仲間なんだ。俺、さーちゃんのことを愚痴っちゃったんだよね…そしたら真…まこ兄が提案してきて…』
創は沙良を腕の中に収めながら、真に悩みを打ち明けた半年前の事を思い出していた。
ちょうど春物特大号のシューティングをしている最中で、メイク席が隣になった。
あの時、紘一郎の所業を知ってしまい、創は眠れない毎日が続いていた。メイク担当は眉間にシワを寄せつつ創の顔をベストの状態にすべく、デコルテから顔全体にマッサージを施し、オレンジとグリーン、ライトベージュのコンシーラーを慎重に置いていた。
『おー久しぶりじゃない王子!』と真がいつもの軽薄な口調で話しかけてきた。だがすぐに創の顔色を見て
『あ〜あ…メイクさん泣かせちゃダメじゃん。シューティング前はしっかり寝ないと!』と言いながら隣に座り、鏡越しに創の表情をしげしげ検分すると、声を潜めて
『…あとでいつもの飯屋に行く?』と誘ってくれた。
悪ぶってはいるが、6歳年長の真は人の表情を敏感に読み取る繊細な男だ。片や“王子キャラ”、片や“ワイルドなおらおらキャラ”で同じ特集ページに出ることは少ないが、何故か馬が合い、真は創のデビュー当時から色々と世話を焼いてくれた。
待ち合わせたレストランで一頻り創の悩みをを聞き終えると真は、
『ふぅむ…でも何かムカつく』と笑いながら言った。だが目は笑っていない。
真はゲイ寄りのバイセクシュアルで、デビュー当時、創は随分口説かれたのだ。
冗談ごかしつつ、真が創の願望に傷ついているのはあからさまに伝わり、創は打ち明けたことを反省した。
頬杖をついて前菜をフォークでつつきつつ真が『で、その叔母さんを何とか自分のものにしたいわけだ。俺にしてみたら馬に蹴ってもらいたいような恋バナだけどねー』と言うと、
『ご…めん…』創が身を縮めて頭を下げた。
『…いいってそんなん』と真は苦笑しながら胸の前で両手をひらひら振ると、途端に真顔になって、
『“プライドの高い旦那が三行半を叩きつけたくなる何か”って言ったらもうエロ方面しかないんじゃない?だったら俺は適任っしょ』そう例のアダルトサイトの件を提案してくれたのだった。

創は沙良を見つめながら、『…まこ兄に預けとけば亀裂に持ち込める写真は捏造にしろ何にしろきっと手に入るだろうし、さーちゃんを危険な目に遭わさなくて済む。だから、まこ兄に頼んだんだ。まさか…“あんなこと”になるとは…想像もしなかったけど…』悲しげな表情で創が告げる。恐らく創は沙良が不特定多数の男たちに犯されたこと、にもかかわらず二度までもパーティに参加したことを言っているのだろう。
『創くん…ごめんね。ごめんなさい。私、創くんへの気持ちに耐えられなくて…』言葉の最後は申し訳なさに消え入るような小ささだ。
『ん…。さーちゃんはずっと苦しんでたよね…。そんな風に感じることないのに…』
創は静かに、だがはっきりと強い力で沙良をベッドに仰向けにすると、創は沙良の着衣をゆっくり脱がしていく。
沙良の豊かな乳房がまろび出ると、創はうっとりそれを見つめて沙良を見上げ『…触って…いい?』とおずおず訊いて来る。沙良がこくりと頷くと、壊れ物を扱うようにそっと両脇から両の乳房に触れた。しばらくその柔らかな感覚を確認すると、創は息を弾ませて『吸っても、いい?』と訊くまでもないことを訊いて来る。微苦笑して頷くと、創は唇を尖らせて沙良の乳首を口に含んだ。沙良は創の頭を優しく撫でた。
創はちろちろと遠慮がちに両の乳首を交互に舌でつつくように刺激する。そのたび沙良の体はひくりひくりと跳ね、それだけで達してしまいそうになる。
創の愛撫は不慣れだ。だがそれが沙良にはとても嬉しい。
創は染みのついた沙良のショーツを下ろすと、両脚を拡げて膝裏を掴んで持ち上げ、ピアスの施された無毛の性器をじっと見つめる。
『創くん…そんなに…見ないで…』思わず両腕で自分の顔を隠してしまう。サイトでも倶楽部でもあれほど躊躇なく晒して来たのに、創に見られるのは堪らなく恥ずかしい。
『何で?凄く綺麗。さーちゃんは何から何までとっても綺麗。さーちゃん…大好き』
感極まった表情で震える声でそう言うと、創は急に神妙な面持ちになって沙良を見上げ、『さーちゃん、俺のものになって。俺、一生さーちゃんを守るから』そう告げて創は自分の熱く昂ぶったものを沙良のそこに押し当てた。
いつからかは沙良にもはっきりとはわからない。だが、兄の子である創が、創だけがずっと好きだった。でもそんなことはおくびにも出してはいけない。そう自らを叱咤して生きてきた。でもその愛しい甥が自分を欲し、抱こうとしている。それだけで沙良の目からは涙が溢れた。
『創くん…。愛してます』涙声で沙良はそう言った。創は沙良をゆっくりと貫いていった。


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