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【ロケットパンチを君の胸に♪】
【コメディ その他小説】

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【ロケットパンチを君の胸に♪】〔第三部・最終編〕-9

 クモ女が油断をして、クモの糸を緩めた…次の瞬間だった。
「バカめぇ!甘いぜ!」
 極神 狂介は、隠し持っていた【血祭りレーザー・ブレード?『虎徹』】でクモの糸を切断すると…地面に落とした『村正』を拾いあげた。
「地獄に落ちろぅ!化け物!!!」

 二本のレーザー・ブレードを振りかぶった、極神 狂介の姿は、悪鬼に成り下がっていた。

「きゃあぁぁぁ!!」
 悲鳴をあげるクモ女。その時…一条の閃光が、極神 狂介のレーザー・ブレードを弾き落とす。
「怪奇・クモ女、あたしが許す…正義のヒーローを倒しちゃいなさい」
 両目から殺人レーザー光線を発射した鈴美が、すくっと立ち上がっていった。
「もう、あたしは泣かない…悪の幹部候補として、正義を倒す!!」
「悪が正義に勝つだと…そんな法則が成り立つかぁ!!」
「勝ってみせる…あたしたち『フェアリー☆テール』が新しい悪の歴史を刻む…クモ女、ファイナル怪人キックよ!」
「はいっ!」
 クモ女が空中にジャンプして、武装戦士・ゴクガミーに向かって急降下した。
 キックを予測して構える、武装戦士・ゴクガミー。
「ファイナル…」
 クモ女は、クルッと空中で背を向けた。
(後ろ回し蹴り系のキックか…その程度の技など、このオレには…)
 と、極神 狂介は余裕をみせた。さすが、腐っても正義のヒーロー…この手の攻撃は、特撮物を見て研究しているらしい…だが、クモ女の攻撃は極神 狂介の予測を越えていた。

「怪人ヒップアタッーク♪」
 ボンッと、クモ女の愛らしいお尻が、左半身だけ装甲格闘スーツを粘着させた、武装戦士・ゴクガミーを直撃する。

「ぐあぁぁぁ!!そんなぁっ!キックと言っておきながら…別の攻撃をぉぉ」 
 吹っ飛ばされた極神 狂介は、そのまま…なぜか積まれていたドラム缶の山に激突して、倒れてきた、ドラム缶の下敷になった。

 記録用の映像を撮影している、クマさんがファインダーを覗きながら…動かなくなった、極神 狂介に対して。
「やっぱり、正義のヒーローは怪人みたいに、倒されても爆発はしませんね」
 と、言った。
「悪だって、たまには勝つ!」
 鈴美は、自信たっぷりに胸を張った。

 その頃…ヴルキューレ・Σと、メカ・チョコパフェ生徒会長の闘いは…と、言うと。

《えいっ!えいっ!》
《このっ!このっ!》
 プチ・メカたちが、ヴルキューレ・Σの巨体を、蹴っとばしたり。槍のような棒でつついて…地道な攻撃を続けていた。
《えーいっ!塗装を剥がしちゃえ♪》
《壊れろ、壊れろ♪》
 ほとんど、ダメージを受けない攻撃だったが…モニター・アイを通して状況を見ていた暗闇長官は、いらだちを感じた。

『うっとうしい!翔くん!巨大ロボットの王道技!【ロケット・パンチ】で、けっ散らせ!』
「はいっ…」
 翔が、ハンドルを回すと、涼華の変形・合体したロボットは、両腕をメカ・チョコパフェ生徒会長に向けて伸ばした。

「ロケットパァァ〜チ!」
 涼華の腕が、肘から離れて飛んでいく…。
「あたしの腕が…飛んだ?!いゃあぁぁぁ?」

 絶叫する涼華。鋼鉄の拳はメカ・チョコパフェ生徒会長の胴体に風穴を開けた…片ヒザをついて体勢を崩す、メカ・チョコパフェ生徒会長。
「ふっ、やるじゃない…」
 本物のチョコパフェ生徒会長は、根性でロボットの頭にある柵につかまりながら…不敵な笑みを浮かべた。

《きゃあきゃあ♪本体がやられちゃたぁ♪ありえなーいっ♪》
 口元に手を添えて、可愛らしい素振りをみせる、プチ・メカたち…その姿に暗闇長官は、さらにいらつく。

『とどめを刺せ!翔くん!合体フーメーションΒだ!』

 ヴルキューレ・Σが、空中に飛び上がり…新たな合体をするために、ヨルムンガルドとフォンリルを離脱させる…その、一瞬の隙をチョコパフェ生徒会長は、見逃さなかった。
「待っていたわ!この時を!!」


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