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デパガあいり
【レイプ 官能小説】

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性そして生命-2



「……ふぅっ……」



三田村は机に放り出してあった通勤バッグを広げると、意を決して、中から一本のUSBメモリを取り出した。


それは、昨日あの凄まじい凌辱行為の後、川瀬から渡されたものだった。


『やるよ―――恐らくお前が欲しがってる答が入っている』


あの時そう言って薄く笑った川瀬の顔は、ひどく青ざめ狂気じみているように見えた。


これが本当に自分が知りたがっている答えなのだとしたら、見るにはかなりの覚悟が必要だと思う。


いや―――正確にいうならば、その答えを見てしまった時に、自分自身がどういう感情を抱くのか……それを知るのが一番怖いのかもしれない。


間接的ではあったが、川瀬に言われるままあいりの凌辱行為に加担してしまった時の、身体が震えるほどの興奮。


これまでのセックスでは感じたことのない異様な胸の高まりを思いだす度に、自分自身がわからなくなる。


自分の中に、一体どれほどの闇があるのか。


それを知ることが一番怖いのだ。








『もう――――逃げても―――しゃあない』



それが、一晩かかって三田村が出した答だった。


気持ちを切り替え、前に進まなければ、何も解決しない。


迷いを断ち切るために、パソコンデスクに置いてあったミネラルウォーターのペットボトルを手にとり、あおるように飲んだ。



水分を口にして初めて、ひどく喉が渇いていたことに気付く。



思わずゴクゴクと貪るように飲み干すと、口角からこぼれた水滴が、あらわになった胸板にぽたぽたと滴り落ちた。



「つくづく浅ましいな……俺は……」



無意味な自己嫌悪でへこみそうになる気持ちをなんとか立て直し、パソコンの電源を入れる。


ヴ――ンという低い唸り音とともに、真っ暗な画面の中から「Welcome」の文字が脳天気に浮かび上がった。



昨日まで自分を取り巻いていたお気楽な日常が、今は全て疎ましい。


呪いをこめた数珠のように、次々と連なっていく悪夢のような事実。


―――ついに、その最後の一つが今明らかになるのだ。





喉の奥にたまった生唾をゴクリと飲み下し、震える指先でメモリをパソコンに挿入する。


聞き慣れた電子音と共に、画面に小さなウィンドウが開いた。


そこには「0620SK」「0808BR」など暗号のようなタイトルがずらりと並んでいる。


どうやらそれらは全て、数分の長さの動画ファイルらしかった。


『……動画……』


ある程度予想していたとはいえ、その事実に胸が潰れそうなほど動揺してしまう。


昨日バックルームで見た坂田会の映像が頭に浮かんだ。


これらは恐らく、川瀬と坂田会によるおぞましい凌辱の記録なのだろう。





日付と記号の組み合わせから、「SK」というのは「坂田会」、「BR」は「バックルーム」を意味しているのではないかという想像がついた。


しかしその中にたった一つだけ、他と異なるタイトルのファイルがあった。




――――「1015大阪」


そのタイトルを見た途端、三田村の心臓は悪魔に握り潰されたようにきゅうっと縮み上がった。



改めてカレンダーを見直すと、慶子と最後に会ったのは10月12日の夜。


慶子が川瀬に呼び出されたのは、その直後だったと塚田は言っていた。





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