投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

本当の優しさ
【青春 恋愛小説】

本当の優しさの最初へ 本当の優しさ 2 本当の優しさ 4 本当の優しさの最後へ

本当の優しさ-3

「ねぇ理彩!和哉と直輝君お揃いのセーターをプレゼントされたって知ったらどんな顔をするかな?」
理彩は暫く考えて
「プッ!」
っと吹き出した。
「どうしたの?」
「だって想像してみてよ!二人このセーターを着て並んでいるところを!」
「えっ?あっ!」
私もこらえきれず笑ってしまった。
「仲谷久しぶり!」
後ろから声をかけられたので振り返ると二人の女の子が立っていた。
「久しぶり!」
理彩が二人の所に駆け寄って行った。
「氏家君と付き合っているっていう噂本当?」
「えっ?....うん...まぁ....」
理彩は照れたように答えた。
「やっと二人はくっついたんだね!」
「やっとって?」
「あんた達いつくっつくんだろうってみんな言ってたんだよ!」
「そうだよ!」
暫く三人で盛り上がった後女の子の一人が私のほうを見て
「ゴメンね...私達だけで盛り上がって....」
手を合わせた。
「うううん....気にしないで....」
私が答えると理彩は思い出したかのように
「あの子...和哉の彼女...」
「えっ!」
二人は私のほうを見た。
「どうも....」
私は軽く会釈した。
「本当?」
理彩が頷くと
「良かった....」
一人が漏らした。
「ちょっと!」
もう一人がたしなめると
「えっ?どういう事?」
理彩が尋ねると、一人が
「昔の話だから...気にしないでね!」
私にそう言ってから
「木下君ってルックスも悪くないし...性格も悪くない....なのに彼女がいるっていう噂も聞かない....だから....女の子に興味がないんじゃないかって....」
理彩も私も目が点になった。
「あっ!あくまでも、昔の噂話だからね!」
っていうと、もう一人が
「バカ!それはあんただけが言ってただけで噂にすらなっていないじゃないの」
そう言って頭を軽く叩くと
「えっ?そうだっけ?」
おどけたように舌を出した。
「バカな事言わないでよ......ゴメンね変な事言って...」
私に頭を下げて
「行くよ!」
そう言って私達に背を向いて歩き始めた。
「待ってよぉ」
そう言って追いかけて行った。
私は理彩に近づいて行って
「和哉にゲイの疑惑かぁ.....面白そうだから今度からかってやろうよ!」
「それ!面白そうね!」
私達は取り留めのない話をしながらウィンドウショッピングを楽しんだ。



直輝と一緒にクリスマスプレゼントを買いに来た。美咲には欲しいと言ってたデジカメを買った。用事があると言う直輝と別れ一人で街をブラブラしていた。
「美咲にファンクラブかぁ.....」
先日直輝に聞いてから心の中で何かがくすぶっていた。ルックスは可愛い....最近....更に綺麗になっている....性格も....優しく....明るくなってきている....多分....学校祭でヒロインを演じた事で....少し自分自身に自信を持てるようになったからだろう....美咲に何の不満も無かった....いつか美咲が手の届かない所に行ってしまうんじゃないかっていう不安がそう感じさせるのかもしれない....


本当の優しさの最初へ 本当の優しさ 2 本当の優しさ 4 本当の優しさの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前