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本当の優しさ
【青春 恋愛小説】

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本当の優しさ-12

ゴメンナサイ

友達へのメール

間違って

送ってしまい
ました

今すぐに

忘れて下さい

千春


私はこんなメールを再び送った....私は何をやっているのだろう....せっかくサンタクロースにもらった勇気だったのに....私は自分自身が情けなかった....



夜中にメールチェックをしている時に天城さんからメールが届いた....明日駅前の噴水の前で待っていると....しかし....しばらくして再びメールが届いた....さっきのメールは間違って送った物だから忘れてくれと....天城さんの性格は知っているつもりだ....最初のメールは本気だと思う....しかし後で美咲の事を考えて取り消したのだろう....
「北原ちゃんを泣かせたりしたら承知しないからな!」
直輝の声が聞こえた....
「わかってるよ!そんな事は.....」
俺は自分自身に言い聞かせるように呟いた....
次の日の朝、俺は美咲に電話した....
「ハイ....美咲です....」
なんだか気だるそうな声だった....
「あっ!俺!和哉....ゴメンまだ寝てた?」
「えっ?もうそんな時間?」
美咲の慌てた声がした....
「ううん...まだ7時過ぎだよ!」
「ああ良かった...寝坊しちゃったかと思った....」
「ゴメン、ゴメン....約束の時間は13時だったろ?」
「うん...そうだけど....」
「昼御飯を一緒にどうかな?って思って....」
「いいよ....」
「じゃあ...11時でどう?」
「うんわかった...場所は同じでいいよね?」
「ああ...じゃあ11時に...」
まさか天城さんと同じ時間同じ場所で美咲と待ち合わせる訳にはいかないので時間を変える事にした....これでいいんだ....自分にそう言い聞かせた....



7時にかけておいた目覚ましを止めて、微睡んでいる時携帯が鳴った。
「ハイ....美咲です....」
和哉からの電話だった....デートの時間を早めようというものだった....和哉の電話に少し違和感を感じながらも、今日...クリスマスイブに私とデートしてくれるって事は....私の事を選んでくれたって事だよね!....そう思いたかった....
昼御飯を食べた後映画を見てカフェに立ち寄った。
最近和哉と話しをしても私ばかり喋っているような気がする....最初の頃は和哉のほうが喋っていたのに....あっ....また....時計を見た....さっきから時間ばかりを気にしている....私といるのって退屈なの?....それともこの後何か約束が....そんな事ないよね?....私の思い過ごしよね?....今日はずっと一緒だよね?....何故?....和哉と一緒にいるのに....こんなに不安になるの?....こんなに不安にさせるの?....教えて和哉!....そして....安心させて....お願い....和哉....
「ねぇ和哉?」
「ん?」
「もしも....もしもだけと....私と....千春さんが溺れていたら....どっちを先に助ける?」
「何バカな事聞くんだよ!」和哉は少し怒ったように答えた。


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