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留守番の夜
【兄妹相姦 官能小説】

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三時の夕立『雲:渇れない涙』-4

…ずる、ん!

「あ〜こ?
…寝たのか?
ったく、カゼ引くぞ?」

お兄ちゃんが後始末をする間に、いつもあたしは寝たふりをする。
そうすれば、お兄ちゃんはすぐに部屋を出て行くんだ。
ただ、布団をかけてくれた後の…

…ちゅっ

こめかみへのキス。
ぎゅうっと胸が痛くなって、今にも泣き出しそうになる。

…パタン

いつも、ドアが閉まると同時にあたしの涙腺は決壊する。
サクに会いたくてたまらない、どしゃぶりの涙。





夏は、期末試験と共にやってきた。
あたしは引きこもりがちなのを良いことに、勉強に熱中した。
アクティブなのが売りのはずのあたしが、すっかりマジメちゃんだ。
おかげで、テストはけっこうできた。
そうしたら…

ゲンキンなもので、悩みを別の目線から見る力が湧いてきたんだ。
つまり。
悩んで沈む日々よりは、淫乱な自分を肯定して、もっと気楽な生活を送ろう、ってコト。
とは言え、"淫乱な自分"なんて、認めたいはずは無いから二重人格って設定を作った。
…我ながらイタイ思考。

でも、実際にそれを実行したら、ラクになった。
お兄ちゃんとシてる時は、背徳心を楽しんで。
これは"淫乱なもう一人の自分"なんだ、って言い聞かせて、後からうじうじするのをやめた。

そして、サクとしてる時は、あたし達は付き合ってるんだ!って心の中で唱えることにした。
そうしたら、サクに対しても普段から積極的になれた。
サクに触れたい自分を肯定して素直になるのは意外に簡単。
学校ではカップルだと思われてるから、少しくらいいちゃつくのは当たり前、って事にして。
ちょっとした用事…例えば、今日部活ある?とか聞く時でも、軽く腕を触ったりする。
サクの熱い体温が、なんだか嬉しいんだ。



今日が修了式って日。
午後2時頃から、張り切る気持ちを掬われるような曇天になってきてしまった。
夕立が降りはじめたのは3時頃で、テニスコートの部員たちは体育館に逃げ込んだ。
入り口のゲタ箱が満員になりそうで、あたしは一人、トイレへ向かう。
トイレに行きたいわけじゃないんだけど…体育館をうろつける良い口実だから。
…ほら、案の定。

「…片桐」

サクが、バスケ部のコートから抜け出して来てくれた。
二人とも、示し合わせたように物陰に寄っていく。


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