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悟りのセックス
【鬼畜 官能小説】

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第1章-2


今、その庭に面した小部屋で二人の人間が向かい合っていた。
一人はその寺を訪れた一人の美しい女であり
車の所有者である。

彼女と対峙しているもう一人はその寺の住職だった。


暫く向かい合い、二人はお互いを見つめていた。
女は中年であり、若いとは言えないが美しい顔をしていた。
畳の上に正座し、
女のその前には煎じた茶が入った茶碗と、茶菓子が一つ置いてある。

「どうぞ、茶を一服召し上がってくだされ、ついでにお菓子も」
「はい、ありがとうございます、ご住職様」
「どうぞ」
「はい、では、いただきます」

女は美味しそうに上品に茶を飲み干し、手前に茶碗を置いた。

「ごちそうになりました、ご住職様」
「いえいえ、お粗末様です、さて・・・」


「はい」
「貴女のお名前は真梨子さんでしたね」
「そうです」

「失礼ですが、お年は?よろしければ」
「はい、あの・・もう32歳になってしまいました、お恥ずかしいです」

真梨子と言われた女は顔を下に向け、恥ずかしそうな仕草をした。
「ほう、32歳ですか、女性としても十分な年じゃな」

ご住職と言われた男は、どっしりとしており剃髪の頭をつるりと撫で
にこやかに微笑んだ。それを見て真梨子は少し緊張が取れたようである。

「そうでしょうか・・でも私・・」
「うむ、では貴女の悩みは、未だに男性との交わりが無く
いわゆる男性恐怖症ということでしたな」

「はい、ご住職様、こんな年をしてお恥ずかしいのです、ですから・・」
「わかりました、だからこうして、この寺に・・そうですな」

「はい、そのとおりです、今まで仕事一筋できたのですが、男性には・・」
「なるほど、まだ接したことが無いと?」
「あぁ・・はい、お恥ずかしいのですが」
「それで、なぜ、それを克服しようと?」

「はい、そろそろ縁談を、という話もありますが、ここらで・・」
「ここらで男性のことを知り、それで納得し、いずれ結婚もしたい、そうだね?」
「はい、本当の女になりたいのです、ですから・・ですから・・」

女は急に込み上げて泣き出した。
彼女は肩を振るわせ、大粒の涙を流した。

「親を安心させたいのですな・・真梨子さん」
「親と言うよりも、私自身が・・」
「なるほど・・」
「はい」

「その貴女の心構えがあれば何とかなるでしょう、安心しなさい」
「あ、はい・・ありがとうございます、それで・・」
「はい」
「あの、半月位で、その悟りが開けるのでしょうか?」
「それだけあれば大丈夫でしょう、この寺で責任を持ちますから、それに」
「はい・・」




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