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官能の城
【女性向け 官能小説】

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官能の城(5)-5

(23)

それはあの仮面舞踏会の夜のことでした。

晩餐会では、
それぞれ用意してある仮面を顔に付けた男女達が笑みを浮かべながら
珍しいフルーツやケーキを摘みながら食べていました。

洒落た飲み物等が山と積まれてあるテーブルを囲んだり、その部屋を行き来し、
グラスに注いだワインを飲み交わしながら談笑しています。

部屋の隅では、
バイオリンを弾く数人の男達が甘いメロディーを奏でています。

会話の中で好みの相手が見つかると、
暗黙の了解で自然とカップルが出来上がるようです、
その後、気があった男女はそれぞれに各部屋に消えては乱れ、
女はドレスの前を開け、秘部を剥き出して男と情欲を交えていました。

豪華な宝石のネックレスを首に掛け、
赤いマスクで顔を隠し、着飾った妖艶で美しいジュリアンヌは目立っていました。

「今晩は、マダム、素敵な夜ですね」
「ええ、とても素敵な夜ですこと・・」

幾度となくマスクを付けた男達に声を掛かられ、
彼女はそれが気に入らなければ、さらりとそんな彼等を受け流していました。

その中でジュリアンヌは、
長身でブルーのマスクを被った長髪の美しい男に声を掛けられていました。
「お嬢様、あちらでお話しをしませんか?」
「ええ、そうね」

彼女は一目でその男を気に入り、男に目配せをし、
ワイングラスを優雅に持って先に歩き、あの部屋に行こうとした時のことです。

その男は不用意にも、他の女に気を取られ、
先に歩いていたジュリアンヌのドレスの裾を靴で踏んでしまったのです。

ジュリアンヌはバランスを失い、思わずのぞけって床にワインを落としたのです、
そのワインの「ガシャ!」と言う割れた音を聞きながら・・・

同時に彼女の肩からドレスがズルズルとずれ落ち、
彼女の白い上半身の一部が露出してしまったのです。

「あっ!」
と彼女は叫び、その豊満な乳房はその胸からこぼれ落ちたのです。

その瞬間、思わず彼女の伸びた手がその男のマスクを剥ぎ取ったのです、
そして男の顔を見ながら言いました。

「失礼ね!この恥知らず!」
と大声で叫び、慌ててずれ落ちたドレスを胸にたぐい寄せたのです。



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