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逃げる俺、せまりくるメス
【コメディ その他小説】

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逃げる俺、せまりくるメス-3

とうとう俺は手術室に着いてしまった…
白衣を着た医者がずらりと俺をとりかこむ。どうしよう、どうしよう。
「待ってください!俺はっ…」
また看護婦に口を押さえられた。
「は〜い麻酔うちますよお〜暴れないでくださいね〜」
と医者。おいおい、患者が違うことに気付きやがれ!俺の叫びも空しく、麻酔針がせまってくる。
その時。看護婦にわずかなスキができた。少しだけ、手が緩んだのだ。今だ!
俺は渾身の力を振り絞り、逃げ出した。部屋を飛び出し、廊下にでる。すると、メスを持った医者と、あの看護婦がしつこく追いかけて来た。
「待て〜!」
待つわけがない。
逃げる俺、せまりくるメス…
それはまさに俺の人生をかけた壮絶な鬼ごっこだった。
しばらく走っていて、後ろばかりを気にしていた俺は、曲がり角のところで誰かとぶつかってしまった。
「いてて…」
すみません、と言おうとして、俺はその場に固まってしまった。なぜなら…
「やっと追い付いたぞ!」
医者と看護婦が俺の所へ来て、そしてたっぷり3秒沈黙してから叫んだ。
「ドッペルゲンガー!?」
なぜなら、俺とぶつかったのは俺と瓜二つの顔をしていたからである。そしてこの人こそが…秋野さんだった。

それからのことで話すことはもうあまりない。秋野さんは無事手術をうけ、俺はお詫びにケーキをごちそうになった。
なぜ秋野さんと俺がこんなに瓜二つなのかは謎のままだ。
ただ、俺と秋野さんはそれがきっかけで友達になったのだった。

[END]


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