異界幻想ゼヴ・ヴィストラウレ-13
「やっ……あ……はぅ」
ふるふると頭を振る深花の戸惑いは、ジュリアスの唇が反対の腋を侵略し始めた事でますます深まった。
ただ唇を触れさせるだけで舐めるとか吸うとかしゃぶるとか派生的な愛撫には移行しないのだが、それでも今まで体験した事のなかったやり方は恥ずかしくて堪らない。
やがて唇はキスを繰り返しながら、乳房の脇をすり抜けて脇腹から腹部へ到達する。
程よく引き締まってくびれた腰だが、汗ばんだ肌のせいでやたらに取っ掛かりがない。
「っひゃ！？」
今までほったらかされていた乳房を急に掴まれ、驚いた深花は大きく震えた。
大きすぎず小さすぎずの手頃なサイズにぴんと立ち上がった桃色の頂、手の平の中で形を変える絶妙の柔らかさ。
深花自身にも分かりやすい快感のエリアでもあり、いきなり触れられた事による驚き以外の感情はないらしい。
ふにふにと指を沈み込ませて感触を楽しみ、尖った先端に吸い付けばなまめかしい声が喉から溢れ始める。
「ひぅ……あふっ……あっ」
長めに乳首を吸引すれば、何故か慌てふためく反応が面白い。
「あ……」
頬に空気の流れを感じ、深花は顔を上げた。
そこを、ジュリアスは抜け目なく捕らえる。
唇を重ね、深花の唇を食む。
「ん……！」
首に腕を回してすがりつかれれば、後はもう互いの唇を貪るしかなかった。
「んっ……ん……」
舌を絡ませ唾液を啜れば、抱いた肢体はどんどん熱くなる。
背中に何度も爪を立てられるが、ジュリアスは情熱的に唇を吸い立てる。
「は……っ」
一際濃厚に舌を絡めてから唇を離せば、深花の顔を間近に眺める事ができた。
目を保護するために巻かれた包帯は痛々しいが、上気した頬や濡れた唇は夜目にも悩ましい。
「きゃふっ」
下半身に伸びてきた手がするりと膝を割ったため、深花は思わず背を逸らせた。
再び乳房に舌を這わせながら、ジュリアスは太股を撫で回す。
「やだっ、何かやらしっ……！」
「やらしい事してるのにその抗議は、意味ねーぞ」
最もな意見に、深花は押し黙る。
「……っあ！？」
指が足の付け根へ触れてきたため、深花は驚いて声を出す。
「俺のためなんだから、抵抗なんてつまらない真似するんじゃねえぞ」
強めに乳首を吸って言葉を強調してから、ジュリアスは手を進める。
ふわふわと柔らかい下生えの奥は、熱い蜜で渾然一体となっていた。
「あ……んん……ふうぅ……！」
人差し指と中指が、秘部表面を念入りに探査する。
どこもかしこも濡れそぼった菱形の花びらを探り終えると、ジュリアスは深花の唇へ一つキスを落とした。
「……たった今気づいたんだが」
えらく深刻な口調で、ジュリアスが切り出す。
「回復ってより再生っつう感じの治癒だけど、まさか処女膜まで復元されてねえよな？」
成り行きで処女を奪った経緯があるだけに、もしもそんな事態になっていたら……今度こそは、深花が納得できる相手を選んで欲しいと思う。
それが自分ならベストだが、そこまで図々しい事はさすがに言えなかった。
「……それもちょっとは考えたんだけど」
深花の指先がさわさわと動いて、ジュリアスの顔がどこにあるかを探る。
見つけると、唇に微笑みが浮かんだ。
「そこも含めて私は言ったよ。『あなたとだったらいいよ』って」
言って、軽く唇を触れさせる。
「もしそういう事態になってて、処女が面倒だって言うなら……」
言い終わる前に、ジュリアスは口づけを返す。