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異界幻想
【ファンタジー 官能小説】

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異界幻想ゼヴ・ヴィストラウレ-12

「な、何かいつもと違う気がするんだけど……」
「……そりゃそうだろ」
 どうやら深花は問い掛けの意味を正確に把握していなかった事を知り、ジュリアスは少し気が抜けた。
「今までのはお前のためだけど、今夜は俺のためなわけだ。だから二回も聞いたろ?」
 にぃ、とジュリアスは笑う。
 見えなくても邪悪な気配は伝わったようで、深花はびくりと震えた。
「遠慮はしねえし後悔はするな。俺の治まりがつくまで、夜通しだろうが相手してもらうぞ」
 夜通しと聞いて、深花の口が引き攣る。
「やっぱり止めとい……きゃっ!」
 首に唇を押し当てられ、深花は悲鳴を上げる。
「もう遅い。後悔すんな」
 耳元に囁きかけられ、全身がかっと熱くなる。
「あっ……」
 そこから耳たぶを甘噛みされ、思わず声を漏らしてしまった。
「やっ、ちょ……あぁう……」
 耳の縁をなぞった舌先が、穴を犯しにかかる。
「やっ……やだぁ……あっ」
 今までにないねちっこい舌使いに、羞恥心が煽られる。
 目が見えないので余計に行動の予測がつかず、深花は震えながらジュリアスの愛撫を受け入れるしかない。
「はっ……ぁ……」
 顔を裏返させられて反対の耳を犯される頃には、深花自身が驚くほどに全身を快楽で侵略されていた。
 散々にしゃぶり尽くされた両耳には熱が篭り、じんじんと痺れるように疼く。
 まるで耳が性器になってしまったかのような塩梅で、全身の震えが止まらない。
「おい、深花ぁ?」
 くつくつと喉の奥で笑いながら、ジュリアスは囁きかける。
「ひぃ……」
 体に大きな痙攣を走らせ、深花は男の体に爪を立てた。
 耳の性感を呼び覚まされた状態で囁く美声という追い撃ちをかけられ、一瞬だが意識を飛ばしてしまう。
「……まさか、イッた?」
 少し違う様子に、ジュリアスは驚いた。
 まさかここまで効果覿面とは思わなかったというのが、本音である。
「耳はよほどイイ所なわけだ……」
 夢見心地をさまよう深花の首に、ジュリアスは唇を落とした。
 すっかり火照って汗ばんだ肌は、僅かな塩味が感じられる。
「ぅ……」
 新たな刺激に、深花はぴくりと反応した。
「まーだ始まったばかりだぞ?気ぃしっかり持っとけよ」
 顎を軽く噛んで意識の覚醒を促してから、ジュリアスはデコルテへ唇を進めた。
 肉付きは薄いが、うっすら乗った脂肪のおかげで舌触りがいい。
 肌のあまりな白さと滑らかさに、ジュリアスは思わずキスマークを付けてしまった。
 痣ができると支配欲と征服感が合致して、彼はほくそ笑む。
 一度体表から全て剥がされたせいでシミ一つないまっさらの新品、赤ん坊にも匹敵する新鮮さの肌だ。
 耳の性感開発のおかげでほんのりピンク色に染まり、何とも言えずなまめかしい。
「ん……!」
 腋の下を撫でられ、深花は飛び上がった。
「やだちょっと……!」
「こっちも、だろ?」
「えーっ……!?」
 驚いて声を出すと、ジュリアスがくつくつ笑った。
「だから後悔しねえなって聞いたろうが」
 意外そうな様子から若干だが抵抗の気配ありと判断し、ジュリアスは片手で深花の両手首をその頭上に固定する。
 それから、つるりと無毛の腋下を指先で引っ掻くように撫でた。
「ひんっ」
 おかしな悲鳴を上げて体をよじる深花だが、先に動きを封じられてしまったので上半身を揺らすだけに終わる。
「あ……嘘……」
 肘の近くから腋に向けて二の腕の裏側に唇が這うのが分かり、深花の戸惑いはますます大きくなる。
 唇はそのまま南下し、とうとう窪みに至った。
 軽いキスをしながら、深花の反応を楽しむ。
 唇に触れるのはすべらかな肌だけで、篭っていた甘い体臭はジュリアスを楽しませこそすれ不快な気分にさせる事は一切ない。


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