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恋の花名
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秋桜の季節-11

ー9時ー


「いらっしゃいませ」


こうして一日が始まる。


雨のせいか、読みの通りお客様は少ない。

午前中は無事に終わり、お昼に入る。
決まった休み時間はないので、社員は順々にお昼を取る。

私がちょうど休みから上がる頃、倉山さんが戻ってきた。
そして浜村さんと変わり、私の午後が始まる。

窓口に戻ってきて2人のお客様を受付し、ちょうどお客様がいなくなった頃、雨が強まる。
その時に今日の一番の楽しみの時間がきた。
自動ドアの向こうに、傘をさして見慣れた男性が近づいて来るのが見えた。


「いらっしゃいませ。」


石田さんはいつも通り柔らかな笑顔で入ってきた。

「こんにちは。高梨さん、昨日はありがとうございました。」

「いえ、とんでもない。こちらこそありがとうございました。」

「これとこれをお願いします。」


石田さんが通帳と納付書を取り出す。
それを預かり業務に取り掛かる。


すると後ろから倉山さんの声がした。

「石田さん久しぶりですね!いつも俺がいない時に来てるでしょー!」

言いながら私の隣の窓口まで出てくる。

「そんなことないですよ!でも確かに高梨さんと浜村さんばかりですね。倉山さんこそ俺を避けてないですか??」

2人の会話は続く。
何故か2人は仲良しで、いつも会えば話してる。
私は黙々と電卓を入れ、端末に向かう。


手続きもほぼ終わり、最後の確認をしていると不意に自分の話になっていることに気づく。

「高梨さん、仕事中無口だから」

倉山さんが言った言葉に反応する。

「私が何ですか??」

「いや、高梨さん普通の時は天然で可愛いけど、仕事中は頼りになるクールビューティーだって言ってたんだよ」

倉山さんがからかう。

「ちょっと、やめてくださいよ!」

「いや、俺も倉山さんの言うのは当たってると思うよ!」

石田さんが乗っかる。


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