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〈晩秋〉
【鬼畜 官能小説】

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〈晩秋〉-9

『き…綺麗だ……綺麗だ……はは……』

『フフフ……肌がスベスベだよぉ』


拘束台に設置された友紀に、早くも男達は群がりはじめた。
男を手玉に取る夜の蝶のような衣服を纏う友紀に、貧乏臭い衣服を纏う不釣り合いな男達が殺到し、興味のままにその肢体に触れた。


「やめろッ……ぐ……やめろぉッ!!」


全身の痺れは今頃になってようやく治まり、手足も動くようになってきていたし、声にも力強さが甦ってきた……しかし、もう遅いのだ。
肘・膝・手首・足首は既にベルトで拘束台に繋がれていたし、家の外壁を通り抜ける叫び声の音量など、高が知れている。
寒風吹きすさぶ夜の山間部に、人影の消えた小さな集落に、“誰か”など居るはずもない。


「何…すんのよ!離せよぉッ!!」


友紀は頭を擡げて怒声を張り上げた。
その視線の先には、ワンピースの裾を掴んで持ち上げ、その内部を舐めるように眺める男達の姿があった。


「ドコ見てんだよ!!やめろッ!やめろぉ!!」


眉と目尻を吊り上げ、男勝りの怒声を浴びせた。
いくら女性と言えど、我が身に危機が降り懸かるなら、当然とも言えよう。


男女の関係とは、好意を寄せた相手に、言葉や態度などで誠意を伝え、互いの感情を共に認めあって初めて成されるものだ。
それが友情だろうと恋愛だろうと同じなはず。


それらを全て蔑ろにし、拉致に及んで拘束し、監禁の果てに姦そうというのだ。それは女性に対する軽蔑であり侮辱であり、許されない蛮行でもある。
それが我が身に向けられたと知れて、怒り心頭になるのも無理からぬ事だろう。まして友紀は男女関係に至っては常に勝者であり、男性は“選ぶもの”であった。
口汚い罵りも感情のままに沸き立ち、怒りに任せて怒鳴り付ける。
こんな貧相な男達の慰み者にされるなど、死んだほうがマシと思える程の屈辱だった。


「聞こえてんだろ?離せよ!!離せぇ!!」


頭を擡げ続けたからか、それとも憤怒の為か。
額には薄らに汗が滲み、美貌を崩すように青筋が浮き出てきた。
血走った瞳で睨みつけてくる友紀の顔を横目に、男達の視線は、ワンピースの奥の暗がりに注がれたままだ。


『ん〜…赤というか紫というか……』

『フヘ……へへ……』


薄気味悪い笑い声をあげ、鼻の下を伸ばして覗き込む男達。
ライトの明かりが届かぬ奥地に、白い肌の太股が伸び、その付け根に浮かび上がる赤紫色の三角形に、皆の視線は釘付けだ。



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