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スージの森
【家族 その他小説】

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完・決-5

「フィア、ちょっと待ってろ。すぐ戻るからな」
「お兄ちゃん・・・?」

あいつとの距離は・・・
ダッシュの歩幅で、3〜4歩分か。かなり近付いてるな。
振りかぶった後に接近しても何とか懐に飛び込めそうな距離か?


『死ね!!ガキ共!!』



深呼吸の途中で襲い掛かってきたので、反射的に飛び出した。
フィアもほぼ同時に叫んだけど、やけに遠く聞こえた−

こっちにまっすぐ飛んでくる手を転びながら躱して、化け物の大きく開かれた、生臭い口の前に立つ。


『ちっ!!』


狙いを定めて、もう片方の手を振り上げる化け物。
やらなきゃ殺される。今しかない・・・!


両手で握り締めた破片の先端を、剥き出しになった化け物の口内に突き刺した。


『ウギャアアアアァアアッッ!!!』


ベロを狙ったつもりだったが手元が滑り、根元よりも深い場所に破片を突き立てていた。
夥しい量の紫色の血が喉元から噴き出してくる。

『お、オマエぇぇ、オマエぇぇぇぇ!!!ウギャアアアアァアアッ!!!』

腕に血が付着して、今まで感じなかった恐怖が一斉に噴き出してきた。
この汚い紫色の血よりは負けるかな・・・?


「フィア、逃げろ!早く!!」


フィアの返事も待たずに背中を押して、その場から逃げ出す。


『ち、ちくしょ・・・う・・・たかが人間なんかに、うう・・・っ』


振り返ると、化け物は浮力を失い地面に崩れ落ちていくのが見えた。
死んだのか?


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