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スージの森
【家族 その他小説】

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完・決-3

〜〜〜〜〜


・・・あれ、ここはどこだ?
確か俺、あの化け物に喰われたんだよな。

でもこうして意識があるのは、もしかして・・・生きてるのか?俺は。
薄暗くてよく周りが見えないので、自分の体が今どうなってるのか分からない。

身体中に重みが引っ付いていてうまく動けなかった。
一応呼吸は出来るみたいだが、まるで水に沈んでるみたいにとても動きづらい。

ここはあいつの腹の中なのか?
ボールに目と口だけしか無かったのに、一体どこの部分がそれに該当するんだろう。

・・・フィアは無事だろうか。ちゃんと森から出られたかな。
ごめんな、一緒に出たかったのに、こんな事しちゃって。

(さあ、結界は解いたよ。これで出られる。もう行ってもいいから)

誰かの声が聞こえる。
周囲は分厚そうな青い膜に覆われているが、ちゃんと聞き取れた。

(大丈夫だよ、もう襲わないから。約束しただろ?1人喰ったら逃がしてやるってさぁ)

化け物の声は聞こえるが、フィアの方はちっとも聞こえない。
話の内容からして独り言では無さそうだし、間違いなくフィアは近くにいるはずだ。
俺に姿を見せてくれ。お願いだ、フィア。じゃないと安心してここに居られないよ・・・


(・・・・・・・!!)


よく目を凝らすと、フィアの後ろ姿が見えた。
かなり視界が濁ってはいるが、少しぶかぶかな防寒着に身を包んでいるのが分かる。
良かった、居たんだな。

いや、良くない。まだ森から出てないんだな。どうしてここに残ってるんだ?

そうか、俺が喰われてからまだ時間は経ってないのか。

(・・・くっくっくっ)

フィアが懸命に逃げ出そうとしているのを化け物が笑っている。
走り方がおかしいのかと思ったが、そんな理由じゃなさそうだ。

嫌な予感がする。

元から約束を守るわけはないと思ってたが、まんまと罠にはまってしまったらしい。
化け物に喰われてしまってから後悔しても、もう遅いのか。
何とかしないとフィアまで喰われてしまう。くそっ、思い通りになんかさせてたまるか。

(くっ、ううぅ・・・うぉぉぉぉぉ!)

叫んでいるつもりだが、口が開かず中で籠もり暴れている。
フィア、逃げろ。こいつはやっぱり約束を守る様な奴じゃなかったんだ。

くそっ、このまま喰われてたまるか。
フィアが襲われそうなんだぞ、いつまでもこんな変な所にいる訳にいくか。
ここから出てやる、必ず−


動かない手を必死に上げて伸ばした。
掴んだ感触を抉じ開けようと、渾身の力を込めて持ち上げる。


(うぐっ?!な、なんだ、吐き気が・・・うぐ、ま、まさか・・・!)


苦しそうな化け物のうめき声がして、壁の様に重くて堅い感触が微かに動く手応えがあった。
これは多分、あいつの歯か、口だろう。
早く吐き出せ、いつまでもこんな生臭くて、動きづらい所にいてたまるか。
喰われる事を選んだのは間違いだったな。この野郎、許さないぞ。少しであっても信じた俺が馬鹿だった。


絶対にフィアを助けるんだ−



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