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スージの森
【家族 その他小説】

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3・探-3

ここから一番遠い、いつもの所と反対の場所にある出口を目指す。
周りに並んでいる木はみんな葉っぱを落としていて、枯れた様な元気の無い茶色が広がっている。
地面は草や小さな花が生えているので多少はましだったけど、まさかずっと下を見て歩くわけにもいかないよな。
せめて閉じ込められるにしても、もう少しいろんな色を楽しめる季節にして欲しかった。
夏は蒸し暑く見渡す限りの緑の中に、赤や青い花が咲いている。
春は日差しがちょうどよくてあったかい。
そして、一番色彩豊かな秋は見ているだけで楽しくて、いろんな色の葉っぱが広がっている。
冬は森が寝ちゃってるんだ。
気が紛れるものや、話の種になるものは少しでも多い方が嬉しいんだけど。

「ちょっと泳いでいくか、フィア」
「昨日凍ってたじゃん」
「今日は溶けてるよ。多分」
「いい加減な事言わないで。風邪ひいたらどうすんの」
「お前にうつしてやる。俺は治るから問題ないね」
「もう、お兄ちゃんのバカ!」

腹が膨れたおかげか、フィアの元気が戻ってきたらしい。
フィアが元気なら俺もそうなれるから、安心だ。

下らない会話をしながらしばらく歩き続けて、ようやく目的の場所に辿り着いた。


「・・・着いたな」

フィアは黙って頷いた。
自分の目で確認した限りでは、余計な物が存在している様には見えない。
このまま歩いていけばちゃんと森から出られそうだな。

「先に俺が行ってみる。大丈夫だったら合図するから」
「一緒に行こうよお兄ちゃん」
「お、おい」

フィアが腕を掴んできたので、仕方なく一緒に行く事にした。

無事に出られるよな。この森から・・・

近づくにつれて不安と期待が入り交じった気持ちが膨らみ、激しく心臓が高鳴っている。
あと少し、あともうちょっと・・・


「・・・!」


無情にも爪先に固い感触が触れた。
目を凝らすと、あの嫌な色の波紋が下の方に広がっている。


「参ったな、駄目だったよ。こっちの出口も手が回ってたらしいぜ」
「・・・・・・・・・」
「次に行こうぜ、フィア。まだ半分、あと2つ残ってるんだ。諦めるには早いだろ?」
「もう、既に手遅れだと思う。出られないよ私達」
「まだ決まった訳じゃない。ほら、行くぞフィア」

あの化け物はどこかで俺達を見ているのだろうか。
狼狽えるのを見て、にやにや笑ってやがるのかな、あの野郎。
ちょっと話しただけで性格が悪い、いや歪んでるのは良く分かったから、平然とやってそうだ。

「・・・フィア」

フィアはその場に立ち止まって動こうとしない。
手遅れなんて言ってたけどショックを受けてるのは、出られると信じてたからだ。

「まだ半分あるさ、な?そんな顔してたら、楽しいピクニックも台無しだ」
「・・・・・・そうだね。まだ全部駄目だって、決まったんじゃないよね」

俺の元気なふりがうつったのか、フィアは顔を上げた。
無理矢理でも励ますってのは効き目があるんだな。


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