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「Wing」
【ファンタジー その他小説】

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「Wing」-9

第四章〜父〜




朝の空気は冷たいが、格別にうまい。胸いっぱいに吸い込んでゆっくりとはき出す。空を見上げる。まだ日は見えてないが十分に明るい。
「レオン、着いたよ」
城門の前では無く、何故か城の裏側の草むらだった。
「ここの事、絶対に秘密だからね!」
そう言って城壁を押す。すると城壁の一部があちら側に動き、人が二、三人は通れるくらいの穴ができた。
「さぁ、どうぞ」
「何故こんな所から……?」
「私一人でやったんだよ。凄いでしょ?」
「だから何故こんな所から……」
「昨日勝手に抜けだしちゃって……」
照れたように言う。なにやってんだ……額に手を当てため息をつく。





「で、どうしろと?」
あの後、庭を歩いてたら巡回中の兵士に発見され王の前にひっぱり出される事になった――何故か俺も一緒に……その時俺の格好を見た兵士が『王に失礼だ』と着替えるように言ってきた。
「好きなの選んでいいんだよ?」
湯浴みを終え服を選ぶ。自分に合いそうに無いのがずらっと並んでる……仕方ないから一番左端にある白い軍服を取って着てみる。首が少しきついがこれでいいだろう。
「わあ〜……」
彼女がじろじろこっちを見てる。
「変か……?」
「ううん……そんなことない。絶対ない!」
「なら何故、そんなに見るんだ?」
「えっ!?気付いて無いの?」
「何が……」
全く分からない……
「ううん。何でもない……」
何なんだ? 本当に……まあいいか……
「おいっ!!着替えが済んだなら行くぞ! クレア様。どうぞこちらへ」





「……何処に行っておった?」
のっけから険悪なムード。
「お父様には関係ありません!」
「関係無い事などない!親に言えぬ事でもしておったか!?」
「何でそんなこと言われなきゃいけないの!!?」
「娘の心配をして何が悪い!さあ!!何処で何をしておった。言うてみよ!」
「パパなんて大っ嫌い!!」
そう言いながら、走るように部屋を出て行った。少しの間、沈黙が続く……
「大嫌い、か……娘の事となるとどうもムキになる。見苦しいところを見せてしまったな……」
王が苦笑しながら言う。確かに見苦しいな……
「……気にしないで下さい……」
「そなたの名は?」
「……レオンと、いいます……」
「何処に住んでおる? この近辺の者ではないな」
「……今は訳あって放浪生活を続けてます。それ以上は…………」
「そうか。ならばこれ以上は聞くまい」
「すみません……」
「まあよい……ところでクレアの事をどのように思うておる?」
「どのように、とは……?」
はっきり言ってくれ……
「いや……失言だ。忘れてくれ」
「……」
「……」
「……それではこれで……」
「待ってくれ」
まだ何かあるのか?
「レオンと申したな……これからもアヤツのことを頼んだぞ」
何を頼むんだ? それに今まで特別何もしてないが……
「わかりました……失礼……します」
部屋を出て城の中を歩く。途中すれ違った女達が皆こっちをじろじろ見てくる……何故だ……




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