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fantasy ability
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reality ability‐第13話‐皇希の【真】の力と“刻印詠唱”‐-6

‐場所は戻り、凱影城・屋上‐

「‥‥はぁ、はぁ‥‥。しぶといな、貴様。」

ナイトメア・アビスは疲労困憊していた。鎧にも傷が多数出来、今にも壊れそうだった。

「‥‥“今の俺の本気”に耐えられるとはな。」

対する皇希は余裕はないものの攻撃に当たる事がなかったようだ。しかし、ナイトメア・アビスに攻撃を確実に当たってはなかった。
二人の激闘は優に五時間くらいは経っていた。しかし、決着は着かなかった。すると、皇希が徐(おもむろ)に動き出した。

「‥‥これならどうだ?“真の刻印詠唱”を見せてやる。‥‥“真”よ!“真”なる輝きを示せ。‥shining nova!!」

皇希の腕から球体状の輝くものがナイトメア・アビスに急速に接近し、爆発した!

「ぐぅ‥‥!?」

ナイトメア・アビスは後ろに蹌踉(よろ)めきながらも、壁に背を預けるようにして何とか立っていた。
皇希は間合いを詰める為、前進しようとするが、皇希の前に一筋の光状のビームが来る。皇希はこの攻撃を避ける。
が、この攻撃の方向には誰も居なかった。しかし、ナイトメア・アビス‥‥‥と皇希は解っていたようだ。

「‥はぁ、はぁ。‥‥邪魔をするな!‥コイツはオレが倒す!」

ナイトメア・アビスはその方向に向かって叫ぶ。だが、返事が返って来なかった。

「‥‥‥やはり、統神 皇希では見付けられなかったのか。」

皇希が小さな声で呟く。そして、その方向へと攻撃を仕掛けた。だが、皇希の攻撃はバリアーによって防がれたが、存在は確認出来た。
この時に皇希には隙が出来た。その隙をナイトメア・アビスは勝機と思ったのか、攻撃する。

「‥オレが勝つ!」

皇希は避ける事が出来なかった。ナイトメア・アビスの攻撃が意外と素早かった。しかし、ダメージを何とか最小限に抑えた。
続けざまに、ナイトメア・アビスの攻撃は連続攻撃だった。皇希は防ぐのがやっとだった。

「‥オレはお前を‥‥‥倒すんだーー!」

ナイトメア・アビスは剣を精一杯振りかぶった。皇希の幻想具現化は破壊され、皇希の身体に一筋の傷が出来る。
皇希は後方に吹き飛んだ。受け身を出来なかったので壁に背中を強打してしまった。皇希は血を吐く。

「ぐふっ!!」

その場に倒れ込んだ。ナイトメア・アビスの力は最大限に発揮しているようだ。
少しずつ、ゆっくりと近付く。慎重なのではない、ナイトメア・アビスもダメージを相当受けているからだ。
皇希の側まで近付くと、皇希を片手で持ち上げる。そして、‥‥‥剣を突き刺した。

「ぐっ!」

皇希の意識はまだあったが、身体を動かす事は出来なかったらしい。ナイトメア・アビスは皇希を投げる。皇希は壁に当たって倒れた。
ナイトメア・アビスはまた皇希に近付くが、今まで見ていただけの織音が間に入った。

「‥‥これ以上はさせないわ。私が相手になってあげる。」

織音は無想の鎧に護崩刀と臨戦体勢だった。が、ナイトメア・アビスは無視した。織音の横を通り過ぎる。
織音はナイトメア・アビスの脇を狙うが、ナイトメア・アビスは余裕で防ぎ、織音に反撃をした。
織音の身体は皇希以上の速さで壁に当たる。無想の鎧が丸で紙みたいだった。


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