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ドラゴンクエスト5 天空の花嫁
【二次創作 官能小説】

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ルラフェン編 その一 フローラ-4

「魔法とは精霊を使役することじゃ。そのためには魔力を使えばよいが、実はそう単純なことではない。そうだな。じょうろに水を汲んでも出口が大きすぎれば水の勢いは弱い。逆に出口を小さくすれば勢いは強くなるが、一度に出る量は少なくなる。それを解決することは……まぁ無理じゃが、目的に合ったじょうろを学ぶことに意味がある。お主程度の魔力なら上位の魔法もかろうじて使えるはずだ。バギクロスにベギラゴン……まぁそこら辺か。イオナズンやメラゾーマとなると、やはり素養というか、資質が足りないと言える。それは別にお前が劣っているというわけではない。向きが違うんじゃよ。そうじゃな。フローラちゃんは特別じゃからな……」
 ベネットは水面を見つめ、先ほどと同じようにひとさし指を立てる。そして水面をすーっとなびかせると、波紋が一方へと流れだす。
「へ?」
「コーラルレイン。本来は海上で豪雨を呼び寄せる魔法の一種だが、バケツの中で嵐を起こされても困るので、かなり弱めにしている。まぁ、ワシ程度じゃバケツをひっくり返すのが精一杯じゃがの」
「はぁ……」
「印と詠唱は後で教える。まずは精霊を使役し、その向きを自在に操ることから学んでもらおう」
「僕が?」
 いつのまにやら始まったレッスンにリョカは自分を指差し、裏返った声で聞き返す。だが、ベネットは当然といったようすで頷き、反論を許さない。
「フローラちゃんのときは大変だったぞい? バケツが激しく渦を成して辺り一面水浸し……」
「もう、ベネットさんったら……」
 照れたように笑うフローラだが、バケツの水程度が集める水の精霊で嵐を巻き起こす彼女はやはり只者ではないのだろう。幼少の頃から氷の魔物を氷に閉じ込めるような荒業を成すのも頷ける。
 リョカはフローラから付箋の挟まれた魔道書を受け取り、水の項目を引く。
「とはいえ、魔力のある限り放出するのは魔法使いとして滑稽なわけじゃ。それに精霊が求めるだけ魔力を放っては、どちらが使役されているのかわからんからな」
 ほっほと笑うベネットにフローラは顎に手を当て、そっぽを見る。
「さて、それじゃあフローラちゃんには次のレッスンと行こうかの……」
 ベネットはこっそりとフローラのお尻に手を回すが、「いけませんわね」とペシンと叩かれる。
「じゃあリョカさん。がんばってくださいね」
「あ、はい……」
 なし崩し的とはいえ、魔法とその奥深さを学ぶには良い機会と、リョカは早速練習を始めた。

**――**

 リョカがコーラルレインを覚えたのは、それから十分後のこと。最初はバケツの水を波立て、部屋に水を撒いてしまう。どうせ濡れているのだしと外へ出てバケツと格闘するリョカ。その集中力は目を見張るものがあり、不自然な波紋を作る程度までに上達した。
 そのうちに雨も上がり、今度はふわりと影が映る。
「リョカ〜、お〜い!」
 空を見上げるとシドレーが舞っていた。
「あ、シドレー、ここだよ〜」
 リョカが手を振ると、彼も気付いたようでばさっと降りてくる。
「あれ? 荷物届けたん? なんならなんでこんなところで油売ってるん?」
「うん、ちょっと魔法の練習してるんだ……」
「へぇ……魔法ねぇ……。まあ、お前の印とか結構粗いからな。いいとおもうで?」
「あはは、やっぱり下手かな……」
 シドレーの指摘にリョカはふふっと笑う。このあけすけもの言う友人が居てくれたことに、リョカの心にも明かりが差していた。
「ま、下手かしらね?」
「「え?」」
 すると、ベネットのお家、角の陰から顔を出す子が一人。
 青い髪を後ろでアップさせていて、ポニーテールのようにさらっとしたものではなく、ふわっと広がったもの。気の強そうな瞳とへの字に結んだルージュすら引かれていない唇に、勝気な美少女という雰囲気がある。
 青い胸当てと白いマントを翻し、腰には赤い柄の宝石を散りばめられた剣を帯びている。
「お前……確かアンだっけ?」
 かつてラインハットの宿屋で出会った女の子。その時は何が不機嫌なのか、名前すら名乗らずに去っていったが、
「そうね。確かそうだったわ。そう呼べば?」
 今回はそれに頷いた。


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