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ドラゴンクエスト5 天空の花嫁
【二次創作 官能小説】

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ラインハット編 その四 ラインハットへの帰還-8

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 ブランカ国にて最近広まった噂は、アルベルトによるものだった。彼は斥候とともにグランバニアとの港に潜り込み、兵舎、酒場、井戸端、いたるところでグランバニアの侵攻を醸したてた。
 ラインハット憎しで団結していた両国だが、ブランカ国の情勢安定に伴い、不自然な厚意に疑いが持たれるのは必死。うらぶれた国粋主義者に小金を持たせ、アルコールで懐柔すれば、その不安は至る所で煽ってくれる。
 その結果が前線からのグランバニア魔法部隊の排除。もともと小隊以下の規模であり、彼らがいなくても防衛、反撃は可能という見通しが強かった。

 任務半ばで帰国を余儀なくされたペドロとその一行は、帰国の船を待つ間、酒場にて時間を潰していた。
 本国より派遣された魔法部隊隊員は、ようやくの帰国に胸をなでおろしていた。
 演習で幾度も魔法部隊の威力と有用性は認識しており、魔物ならいざしらず、人間相手に放つことには抵抗があった。魔法反射障壁魔法を唱える者の中には威嚇で済むように角度を調整した者も居た。
 不毛な大地出身の彼らには共生の考えが根強く、今回の派兵には懐疑的であった。
 だが、部隊を預るペドロは違うらしく、馴れないアルコールを飲みながら歯軋りをしていた。
「われわれはブランカ国民だ! ラインハルト地方を治めるのは、聡明で頑強な我らをおいて他に無い。グランバニアの甘言に惑わされ、バタ臭いヤギのミルクを口にしたい腑抜けはいるか!?」
 酒場の隅で始まる国粋主義者の演説。鼻の赤い酔っ払いがどこで手にしたのかわからない小金で聴衆を集めてはグランバニア国の悪口を言うのだ。
 ペドロはそれを苦々しく聞きながら、ふうとため息を着く。
「奴らはこの機会に乗じて我らが愛するブランカ国の大地を乗っ取ろうとしているのだ。レイクバニアはかつて天空に竜の神が居たころから、大商人の知恵と、天女の加護に守られてきた。いわば神に愛された土地なのだ。それを未開の地の蛮族に奪われてなるものか!」
 今日の演説者はいつもの赤鼻ではなく、緑の髪と額に傷を走らせる美青年だった。聴衆の中にはそれをうっとりと見つめる婦人もおり、凛々しいなりに若者の頷く姿が見られる。
 オットーの冗談めいた言葉の裏を読みつつ、ペドロは懐にナイフを二本忍ばせる。
「我らは我らの手でブランカを守る必要がある。そして、この東国を治める天運があるのだ!」
 意気揚々とこぶしを上げる青年に、サクラが呼応し、聴衆も雰囲気に流されて真似をする。
 そんな中、光が空を切る。それも二本。
「むっ! 誰だ!」
 緑の髪の男はかろうじてかわした凶刃に、その放たれた方向を見る。一瞬の出来事に聴衆はしゃがみこみ、サクラは男を守るように取り囲む。
「失礼、線が二本足りないかと思いまして……」
 栗毛の男は明らかに酔っ払いの類ではないその演者に、携帯していた二節の昆を構える。先には鋼の鉄球が仕込まれ、それを結ぶ鎖がじゃらりと音を立てる。
「なんのことかな?」
「レイクバニアではお灸の饐え方が足りなかったようですな? 今一度、悪鬼にはオシオキが必要かと思いまして……」
 携帯用のモーニングスターを構える栗毛の男の異様な殺気に、聴衆達は我先にと逃げ出す。サクラは緑髪の男を守るべきかと悩むが、男の目配せでそれに紛れて酒場から消える。
 放たれた鉄球を寸前でかわす緑髪の男。古くなっていた床板はその一撃で脆くはじけ飛ぶ。
「なるほど、貴様が魔法部隊の指揮官か! 屈辱は忘れていないぞ?」
 緑髪の男、アルベルトも腰に帯びた双頭の鞭を構え、びゅんびゅんと音を立てる。それは先の一撃に比べれば、蚊の鳴くような大人しいものにも聞こえる。だが、放たれた鞭はペドロの足元で破裂し、木片を弾いて威嚇する。それに気を取られていると、もう一つの蛇がモーニングスターの先に絡みつく。


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