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フェイスマン
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フェイスマン-3

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その日の晩、私は急にベッドの上で動けなくなってしまった。
胸の中に真っ黒い不安の様な塊が広がり、今にも破裂してしまいそうだ。
ちょっと前からいつも抱えていたものが急激に膨らんで、私を中から蝕もうとしているのかもしれない。

「助けて・・・!」

私は一体誰に助けを求めているのだろう。
親か、友達か、分からない。誰かがこれを果たして取り除いてくれるのだろうか?

このままでは押し潰されてしまう。助けて、誰か。怖いよ・・・


「そこまでだ、ニートデス!!その子から離れろ!!」
「ぎゃああああ?!」


いきなり窓ガラスを突き破って強盗が侵入してきた。
でも、随分おかしな格好をしている。真っ白いタイツに赤いマントなんて、強盗にしては目立って・・・
あれ、この人何処かで見た様な気がする。
そうだ、昼間学校の屋上でいきなり空から落ちてきたんだ。あれは夢じゃなかったのか・・・

「おい、白を切るつもりか?そこに居るのは分かっているんだぞ!!」
「な、なんであんたがここに?!」
「ん?君は・・・ああ、昼間に会ったな。あの時は他の場所にニートデスが出て、本当に済まなかったね」

どうやら私はとんでもない人に狙われているらしい。
何か変化が欲しいとは日頃から思ってたけど、やっぱり変わらない日常の方がましに思える。

「おのれ、まだ出てこないつもりだな。ならば仕方ない、力ずくだ!」

全身タイツの変質者はポケットから石ころを取り出した。
それを見ていると、急に吐き気がしてきて・・・

「うっ、あぁあああ?!」

口から黒い煙みたいなものが吹き出して、空中を蛇みたいに動き回っている。

「出たな、ニートデスめ。さあ来い!この僕が・・・フェイスマンが相手だ!」

その煙が丸まって、どす黒い球体となり変質者に体当たりした。

「うぐっ!!」

変質者は跳ねとばされて壁に激突してしまう。
その黒い球体はすかさずもう一度ぶつかろうと、凄い速さで飛び掛かった。


「させ、るかぁ!!」


しかし、その人は球体を両手で受け止め、膝で何発か蹴りを入れる。
良く分からないけど頑張ってるみたいだから、応援しなくちゃ。

「うわああああ!!」

でも、球体に弾き飛ばされて私のすぐ傍に転がってきた。
黒い球体が飛び掛かってきたけど、どうやら標的はその人じゃなくて私の方らしく・・・



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