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『壁女の涙』
【SM 官能小説】

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『壁女の涙』-2

 ナチスドイツがその街を占領したとき、彼ら3人の異常であるけれども平穏な生活が、脅かされることになりました。
 ナチスドイツは占領地でもユダヤ人狩りを始め、彼女たち2人がユダヤ人であることは、以前から街の人に知られていたのです。

 きっと誰かが密告したのでしょう。ナチスドイツの司直がユダヤ人である彼女たち2人を出せと、彼らの家にやってきました。
 その家の主は、彼女たちは占領される直前にどこかに逃げて行ったと、司直にいいました。
「そんな嘘をついても、お前が女たちをかくまっていることはわかっている」
そういうと司直たちは徹底的に家探しし、見つからないとついには火をつけて家を半焼させてしましました。
そのうえ、「女たちの居場所を絶対に吐かせてやる」と、主の男性を連行し連日過酷な拷問をしつづけました。
3日後、彼はそれらの拷問のためについに絶命してしまいましたが、決して彼女たちの居場所いいませんでした。

秘密の地下室が見つかった時、女性2人分の遺骨が残っていて、首輪と南京錠とアヌス栓も2つずつ見つかったそうです。
そして、占領当時のことを知っているあるお年寄りは、壁に残された2人の女性の形の染みのことを、
「地下室で餓死して死んでいった彼女たちの魂が、一緒に住んでいた男を追って出て行った痕だろうよ」
といっていたそうです。



私は、いつしか涙を流していました。
でも不思議なことに染みの中の顔が涙を流している用の見えた水滴は、まったく何の痕跡も残さずに消えていました。

                                  完


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