「性技の練習」-5
「…いいですか。声はやたらと上げるものではありません。漏らすのです」
しかし、諭しても止みそうにない舞の声に九木は動きを止めると畳んだ手拭いを手渡す。
「…これを口に当ててなるべく声を我慢してみてください」
舞が頷いたのを確認すると抽送を再開する。
「…っぅ、ふぅっ」
手拭いの隙間から、舞の抑えた声が漏れた。
「…いいっ、ですよっ！」
心なしか九木の息も弾んでいる。
鏡越しに九木の顔を見つめると、うっすらと汗ばんだ肌が妖艶に色めいていた。
「くふぅっ、あっ！」
絶頂が近付き、舞の手からハラリと手拭いが落ちる。
胎内でビクンと蠢く肉棒にもう、声を抑えきれない。
「あぁん、あっ！やぁっ、もっ…」
後ろから羽交い締めにされるように抱きしめられ、舞は抵抗の術を失った。
九木の指先は、舞の乳房を刺激している。
「ひぃあっ！あぁ、ぁん、はぁん、あっ！」
耳の中にヌルリとした舌を入れられ、派手な叫びを上げて舞はイッた。
子宮が収縮し、九木の子種を絞り取ろうとしている。
「うっ…」
九木が小さく声を上げると、ドクンと肉棒が蠢き胎内に精が放出された。
その強い刺激は舞を連続する絶頂へと導き、溺れるような快感に舞は気を失ったのだった。
「ふふっ。私としたことが煽られてしまいましたね」
舞の胎内から性器を抜くと九木は呟いた。
ごぷり、と胎内から白濁した精液が溢れ出る。
「もしかしたら…」
九木はふと思いを巡らす。
「もしかしたら、貴女は変わる必要はないのかもしれない」
汗でしっとりとした舞の髪を撫でながら九木は、その一房に唇を寄せた。
「まぁ、でもこれがあの方の思し召しならば仕方がありませんね」
九木は不敵な笑みを浮かべると部屋を後にする。
どこまでも職務に忠実な男は、明朝からの特訓について思いを馳せるのだった。