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みだ★ゆめ
【ファンタジー 官能小説】

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2・キノウの怖さが消ユ-1

俺の家にサキュバスと名乗る女の子が転がり込んできて、10日が過ぎた。
まず管理人にどう説明しようかと思ったが、箱に入っていればやり過ごせるのですぐに解決する事が出来た。


『隆一、朝だぞ。起きろ!』

ラウムが俺の顔をぺしぺし羽根で叩いてくる。
女の子と一緒に居た、紫色の瞳以外は嘴から足まで全身がピンク色の目に優しくないカラスだ。

「やめろ、ラウム。今日は日曜だぞ」
『日曜日?ああ、そうか、人間は休んでもいい日だったっけ』
「俺よりご主人様の方を起こしてやれよ。あいつ、毎日遅くまで寝てるだろ」
『駄目なんだよ、いくら起こしても寝たままさ。本当は起こすのおれの仕事じゃないんだけど・・・』

ラウムは愚痴を零しながら箱の中に戻っていく。
リリスは俺が出勤する迄に起きてきた事はまだ無く、いつも会うのは帰ってきてからだった。
食事をどうするか聞いたら、どうやらサキュバスは男の精液が命の源らしい。
あんな生臭いものをエネルギーに出来るとは信じられないが・・・・・
口か、下の口か、体内に摂取するとそれが自分の生命力となるらしい。

人間にとって精液は命を造るのに必要だが、違う意味でもそうだったのか。


『ふあああ・・・ああ、ねむ・・・』
『早く出ろって!いつまでも寝てんじゃない』


箱からラウムの嘴に引っ張られてリリスの右手が出てきた。
今はもう見慣れてきたが、あれくらいの小さな箱から人間が出てくる様子は異様だ。

『・・・おあよぉ、隆一ぃ・・・』

欠伸混じりに挨拶して、リリスは床にこてんと倒れた。
俺だってあまり朝は強くない方だが、こいつは弱い。弱過ぎる。
まだこちらの世界の空気に慣れていないらしく、すぐに眠くなるのだとか。

「待ってろ、コーヒー淹れてやるよ。眠気覚ましになるだろ」
『やだ。苦いから嫌い・・・』

別に人間の食物を摂る必要は無いのだが、ラウム曰く食事しても特に問題は無いらしい。
精液だけじゃと思いちゃんとした物を与えてはいるが、リリスはなかなか口にしようとしなかった。
一口か二口くらいしか口に入れず、食べるというより噛るといった感じだった。

「じゃミルクと砂糖入れてやるから」
『それなら飲む!』

だらしなくのびていたくせに急に顔を上げる。
甘いのが好きとは、まるで子供だな。
サキュバスというのは淫らな行為が好きな淫魔、というちょっとスケベな悪魔らしい。
だけど、目の前にいるリリスはそんなイメージからはかけ離れている。

この10日間、何度かまたエッチをしたんだが、初めてやったのと変わらず反応が全然無かった。
ラウムが言うには、何らかの変化が生じてくるはず、らしいんだが・・・・・



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