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異界幻想
【ファンタジー 官能小説】

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異界幻想ゼヴ・エザカール-25

 ピンクの少女は、きょろきょろと辺りを見回す。
「どうした?」
 服を着込みながら、金色の大男は尋ねた。
「ん……なーんか視線を感じた気がするのよね」
 少女の懸念を、大男は笑い飛ばす。
「気のせいだろ。ここをどこだと思ってる」
 ここは、一言で言えば特殊空間だ。
 バランフォルシュの懐深く、外部からの干渉が一切遮断される場所。
 少女はこの場で時折、大男に抱かれている。
「そうなんだけどさぁ……」
 なおも周囲を見回してから、少女は見切りをつけた。
「ねえ、これからどうするの?」
「どうって……何の話だ?」
 大男の返事に、少女は頬を膨らませた。
「ミルカを殺すなら、早くした方がいいじゃない。せっかく戻ってきてくれたんだからさぁ」
「やりたきゃお前一人でやれ。俺はしばらく待つぞ」
「えーーーっっ!?」
 大男の意外な言葉に、少女は大声を上げていた。
「どうせなら世界に順応し、全力を発揮できる天敵と戦いたい。そのためには、ミルカが目覚めるのを待つしかないだろう」
「つまんなぁい」
 少女は唇を尖らせると、大男は笑っていなした。
「最も、あいつの出方次第では俺も出ざるを得ない訳だが」
「あいつ、サフォニーにご執心じゃない。ま、確かに美人だけど……」
 この場にいない水色の男の事を思い、大男は顔をしかめる。
「あいつが変な考えを起こしたら、止めてやらないとな」
「変な考えって……天敵が死のうが病もうが関係ないじゃない。むしろ、戦力ダウンで大歓迎?」
 少女の見解に、大男は首を振った。
「真っ向からの全力勝負でねじ伏せて勝ってこそ、我々が正当種だと証明できる。あいつのやり口は、それを証明するには変則的すぎる」
「相変わらず正々堂々が好きなのねぇ」
 呆れたようにも聞こえる声で少女は言い、惜し気もなく晒していた裸体を服で被った。
「じゃ、まずは小手調べといこうかしらね。うっふふふふふふふ……!」


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