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留守番の夜
【兄妹相姦 官能小説】

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初夏のすれ違い / コトバ編-3

〜・〜・〜・〜・〜

…そう、"あの約束"。
それが、今日の目的だった。
店員が、やっと食べ終わった亜紀子の皿を片付けに来て、我に返る。
とは言え、サクは話を始める前に気合いを入れなければならなかった。
何を聞いても彼女を突き放してはならないし、今日だけは自分を抑えると決めている。

…―いったい、アニキに何をされたんだ…?

そもそもの発端は、それこそ亜紀子の変化だった。
四月から目で追うようになり、亜紀子の弱味をつかんでカラダを重ねるようになってからは、亜紀子が心の中に何かを溜め込んでいることに気付いた。
以前に、それを軽く吐き出させた時に、いつかまた話を聞くことを約束したのだった。

もちろん、自分がやっていることも大問題だが、自分にできることがあれば助けてやりたかった。
そう思い始めてみれば、亜紀子を脅して遊ぶ自分とは別の、亜紀子を見守る自分が現れたのだった。
学校でもつい彼女を探し、目を合わす。
今では、ほぼ彼女の感情は読み取れる。

そして、だからこそサクは、自分の質問に答える亜紀子が今、欲情していることに気付いたのだった。
初めは、兄との行為の定番を聞きだし、徐々に詳細を引き出していた。
ただ、感覚を思い返させる質問をした頃から、亜紀子の様子がおかしくなってきている。
ほおは赤く、瞳は潤み、抑えてはいるようだが息も荒い。

そんな状態で聞かされる兄妹の淫らな物語。
サクは突き放すどころか、羨ましさ、悔しさが募り、自分も欲情が隠しきれなくなってきていた。
そして、恐る恐る亜紀子が禁忌を漏らしたのは、そんな時だった。

「…サクも、したい?
サクもあたしに…アレ、したい…?」

とうとう暴かれた秘密。
不浄の穴での交わりに、無理強いの排泄。
そのどちらもを、亜紀子が心底嫌悪していることが分かり、サクは性欲に流されまいと踏ん張る。

「お前が嫌ならしない」



…それなのに、その努力は水の泡となりそうだった。
ひとしきり泣かせてやり、重荷を下ろさせて目的を果たしたことで、今日は解散してもいいかな、とサクは思っていたのだ。
亜紀子が泣いたことで、更に居づらさを増したカフェを出て、そこで別れようとしたのに、先手を取られる。

「…ねぇ、バイク乗せて?」

それは、いつからか二人の間だけで通じる誘惑の言葉。
更にサクの袖をつかんでの、亜紀子の上目遣い。
思わず、頭がクラクラした。

…―くっそ、妹キャラ全開じゃねぇかよ…

無視してきた欲求が主張しはじめる。
しかしそれは、通常よりもよっぽど凶暴なものだった。
話を聞きながら広がってきていたどす黒い想い…それはまぎれもなく嫉妬心だった。


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