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一枚の写真
【初恋 恋愛小説】

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ヒロ兄ちゃんとユキ姉ちゃん-4

水族館の中では私の身体が小さかったために、私が見やすいように、バッグをユキ姉ちゃんが持って、ヒロ兄ちゃんは私を抱きかかえていてくれた。私は目線が二人と同じようになるので嬉しかった事を覚えている。
「ヒロ大丈夫?」
ユキ姉ちゃんが心配そうに言った。ヒロ兄ちゃんは私を見て、
「大丈夫だよ。美香ちゃんは重くないもんね。」
「うん!」
私は笑顔で答えた。実際はずっと抱きかかえていてくれたので大変だったのでないかと思う。
「美香ちゃんは甘えん坊さんね!」
「あれっ!ユキ!ヤキモチ妬いてるの?」
「違うわよ!!」
ユキ姉ちゃんがあっさり否定したので、
「少しぐらい妬いてくれてもいいのに.....」
ヒロ兄ちゃんがふてくされたように言った。
「美香ちゃんに妬いてもしょうがないでしょう!!」
ユキ姉ちゃんが笑顔で言うと、
「そうかなぁ?」
ヒロ兄ちゃんが少し不満そうに答えた。
「ネェ、パパ、ママ、私お腹すいた。」
ヒロ兄ちゃんはユキ姉ちゃんのほうを見て、
「それじゃぁ、お弁当を食べようか?」
ユキ姉ちゃんは売店を指差して、
「ちょっと待って、あそこに寄ってからにしてくれない?」
そう言って、ヒロ兄ちゃんのほうを見た。
「ああいいよ。」
ヒロ兄ちゃんは売店のほうに歩き始めて、
「美香ちゃんもうちょっと待っててね!お土産を買ってからにしようね!」
「うんわかった。」
私を抱きかかえたままヒロ兄ちゃんとユキ姉ちゃんは売店に入って行った。ヒロ兄ちゃんはそこで私をおろして、
「美香ちゃん、好きなの買ってあげるから選んでいいよ。」
「本当にいいの?」
「うん、ただし一個だけだよ!!」
「はぁい。」
私は売店を見て歩いて、イルカのぬいぐるみを選んで手に取った。
「パパ、これ買ってもいい?」
ヒロ兄ちゃんにイルカのぬいぐるみを見せた。ヒロ兄ちゃんは私を見て、
「うん、いいよ!本当にそれでいいの?」
「うん!」
私はそう言って笑った。
「美香ちゃんちょっと待っててね。」
ヒロ兄ちゃんはそう言ってから、ユキ姉ちゃんと何かを選び始めた。
「ネェヒロ!!これなんかどう?」
「ああいいね!それにすれば!!」
ユキ姉ちゃんが手にした物を見てヒロ兄ちゃんが言った。
「ネェ何見てるの?」
「ネックレスよ!」
ユキ姉ちゃんがしゃがんで私に見せてくれた。それはイルカとハートを組み合わせたデザインの物だった。私もそのネックレスが欲しくなった。
「パパ?ひとつだけだよね?」
「えっ?どうしたの?」
そのネックレスを欲しそうにしている私を見て、
「美香ちゃんもこれ欲しいの?」
「うん...でも...パパがひとつだけだって....」
「じゃぁこれは私が買ってあげる。」
「いいの?」
私が心配そうに聞くと、
「ええ!いいわよ!どれがいいの?」
ユキ姉ちゃんはいくつか手に取って見せてくれた。
「ママと同じなのがいいなぁ!」
「じゃぁ....これでいいよね?」
ユキ姉ちゃんは同じネックレスを二つ私に見せた。
「うん!」
私が嬉しそうに頷くと、
「ハイこれお願いネ!」
ユキ姉ちゃんは二つともヒロ兄ちゃんに笑顔で渡した。
「えっ?俺が払うの?」
ヒロ兄ちゃんが驚いたように言った。


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