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冬の日の出来事。
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その後の出来事。-8

「つぼみ」
「…」
「泣くなって」
「やっぱ降りて」
「いや、だから俺帰り方が――」
「じゃあ、あたしが降りる」
「は!?」
「車、うちのガレージに置いといて」
「お前はどうやって帰るんだよ」
「歩く」
「ここからどんだけかかると思ってんの」
「知らない」

シートベルトを外して後部座席から鞄を掴んで、ロックを解除したところで手首を捕まれた。

「そんなに俺と一緒にいるのが嫌か!?」
「…っ」

嫌なわけないでしょ?
何で分かんないの?
どんだけバカなの?

「つぼみ!」
「あたしあんな事したのよ!?顔合わせられるわけないじゃん!」
「じゃあこの先もずっと俺と顔合わせないつもりかよ!」
「そうよ!!」

そうよ。そのつもりだよ。
あたしはもう――…

「そうか」
「…」
「お前の気持ちはよく分かった」

ほら見ろ、納得しちゃってんじゃん。

「つぼみ」

朋久が静かに呼んだ直後、あたしの手首を掴む力が急に強くなって

「―――っ!?」

次の瞬間、あたしの手の平は朋久の左胸を触らされていた。


??
え、何?
意味が分からん。

「よし、これでおあいこ」

妙に得意げだし。

「どーゆう事?」
「お前と同じ事しただけだろ」
「は?」
「お前も触らせただろうが、それ」

人差し指であたしの左胸を指差す素振りが何かエロくて慌てて両手で胸を覆った。

「ど、どこがおあいこ!?あたしのふくよかな胸とあんたのゴツゴツの胸を一緒にしないで!!」
「触った部位は一緒じゃん」
「人を食肉扱いするな!全然違う、バカ!」
「じゃあどうすりゃいいの?股間でも触る?」
「触るか!このド変態が!!」
「変態!?お前、俺が二時間以上悩んで考えた策に何て事を!!」
「時間の無駄!バカ!?」
「じゃあ他にどんな解決策があるんだ!」
「解決策って何!」
「おあいこにしないとお前俺のことずっと避けるじゃねえか!俺そんなん絶対嫌だからな!!」
「…」

見たことないくらい真剣な顔。
普段へらへらしてくだらない事ばっか考えてるくせに、そんな顔でそんな事言うなんて、ずるい。


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