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サイレント・イブ
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サイレント・イブ-3

… … … …

宮沢に見つかってしまった。

私はとっさにここが自分の家だという事を隠して、用事で訪れたような素振りを見せてしまったけど例えるならオナニーしてるところを見られたぐらいに恥ずかしかった。

宮沢は優しくていいやつだと思う…
背は高くないし、顔もイケメンとはいえないけど、本当にこんな私を包んでくれそうなあたたかさを感じる。

それにもしかして、私の事が好きなんじゃないかなんて思う事もしばしばある。

私は嘘はついてないし、本当に用事で檀家の家にお供物を預かりに行ってたんだけど心の中ではお寺の娘である事を必死で隠してしまった。

本当、正直なところ私の彼氏候補だったのにお寺の娘だなんてバレちゃったらきっと退くだろうな。

陰気な女のイメージを持たれてしまうかも知れない。

お寺の娘だって月9は見てるし、オナニーだってする。

イブに彼氏と手を繋いでイルミネーションの下を歩きたいとも思ってる。

私は普通の女の子。
お寺に生まれたけど、普通の女子高生なんだ。

そうやってまた、私は悔しいから自分の割れ目を触って気持ちよくなろうとしているのだった。


… … … …

何だか…
悪いところを見てしまったような気がする。

いつもなら朝の挨拶はしてくれるあかねが今朝はこちらから声をかけてもつれない返事を返すだけだった。

そんなつもりじゃなかったけど、ストーカーみたいに後をつけてたのを気づかれていたのだろうか?


「なぁ…俺…おまえに悪い事したかな?」

「何?…」

「ちょっと見かけたからさ…
思わずついてっちゃったんだけど、悪い時に声かけちゃったのかな?」

「あぁ…アレね…
べつに…悪くないわよ…」

いつも話しかけると明るく返すあかねがやっぱり目をそらして下を向いてしまった。

「いや、もしかして…
何か気まずい思いさせちゃったんじゃないかって…な。」

僕は思い切ってあかねに昨日の事をちょっと切り出してみた。
ストーカーみたいに思われたなら誤解を解きたいし、このままじゃ…

このまま、あかねが遠くなってしまうのがイヤだったからだ。


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