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Island Fiction
【SM 官能小説】

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Island Fiction第2話-1

屋敷ではさまざまな大人たちが働いていた。
調理人、庭師、医者、清掃人。
メイドを除く使用人はすべて男だ。

彼らの仕事ぶりにはなんら問題がなかった。

しかし、彼らには感情というものが欠落していた。
裸で屋敷を歩き回り、時と場所を選ばずに淫らな行為に及ぶわたしたちのことなどは、目に入っていないかのようだった。
喜怒哀楽を表すことなく、井戸端会議に花を咲かすこともなかった。
まるでロボットのように休むことなく黙々と仕事をこなし、定時になると音もなく丘のふもとにあるそれぞれの宿舎へ帰っていった。

そんな彼らのプライベートを一度だけ覗いたことがある。
偶然二階の窓から見てしまった。
それは私生活とは呼べないのかもしれないけれども、彼らの秘密であり、わたしたちに見せることのなかった影の一面だった。

納屋の片隅で庭師のおじいさんと調理人のおじさんと秘書のローズが立っていた。
初めは立ち話をしているのだと思っていた。

わたしは興味を引かれた。
だいたい、夜に外でコソコソと話し合うというのはまともではない。

そして、それは立ち話ではなかった。

いきなり調理人がローズを後ろから羽交い締めにした。
ブラウスの合わせ目から中へ手を入れ、体をまさぐり、耳元を舐め回す。

庭師がローズのスラックスを脱がし、ショーツに手をかけた。
ひざまずき、足の甲へ忠誠を誓う口づけをした。

満月の夜だった。
木々の影が落ち、風にそよいで揺れていた。

ローズの恍惚とした顔が時々影からのぞいた。
声は聞こえなくても、悶えているのは分かった。

しばらくして三人は体を入れ替えた。

庭師のペニスがローズを後ろから串刺しにした。

ローズは調理人にすがりつき、股間のモノを咥えて喘ぎ声を押し殺した。

肉がぶつかり合う音が聞こえてきそうなほど激しかった。

わたしは息をのんだ。

わたしはお父様の敬愛なる肉棒以外に味を知らない。
教材と称したアダルトビデオは鑑賞していたけれども、生のセックスは初めてだった。
スミレ姉様のセックスすら見たことがないわたしには、あまりに生々しく、ショッキングだった。

わたしは怖くなり、逃げるようにして立ち去った。

とんでもない犯罪を目の当たりにしてしまったような気分だった。
わたしはわたしの世界を揺るがす事件に巻き込まれてしまった。
でもわたしは屋敷から出られない。
わたしは彼らから逃れることは出来ない。
わたしを匿うアーミッシュの村はないのだ。

トラウマになった。
日頃何事もなかったかのように振る舞う彼らに、懐疑的な目を向けるようになった。

それはメイドに対しても同じだった。


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