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襖の向こう
【父娘相姦 官能小説】

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小夜の憂鬱-5

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浴槽のお湯を両手で掬い、そのまま手ごと顔にぶつける様にかぶせる。
顔の脂と同じく、重い気分も簡単には洗い流せない、と小夜は鼻に触れながら思った。

(いっそ、打ち明けられれば楽なのに)

今まで家族に秘密を言おうとした事は無かった。
考えた事はあったが、深く考える前に絶対無理だといつも諦めていたのだ。

(絶対怒ってるよね、怜。顔には出してないけど・・・)

小学生に上がる前から沢山口喧嘩してきた妹。自分の手伝いなど全くせず、食器すら洗おうともしない。
それでも、たった一人しかいない妹に冷たく接してしまうのは辛かった。
もっと仲良くしたいのに上手く出来ない事が、小夜を憂鬱な気分にさせていた。

好きなはずの風呂もここ最近は憂鬱なだけで、全く楽しくない。

「怜・・・」

もし、もしも妹が入ってきたら、逃げ場は無いかもしれない。
何の脈絡もなくふと考えてみたが、そんな事は有り得ない。大体、あからさまに険悪な雰囲気を出している自分に近付いてくる訳が・・・


「お姉ちゃん、開けるよ?」
「れ、怜?!」


開けてから言うのは冗談のつもりか、と小夜は思ったが咄嗟の事で口には出せなかった。
衣服は何も身につけておらず、胸や大事な部分を隠そうともしていない。

戸惑う小夜をよそに、お湯を浴びて浴槽に入ってくる。

「久しぶりだね、お姉ちゃんとお風呂入るの」
「・・・何しに来たの」
「ご飯食べたらさっさと入りなさいっていつもうるさいのは誰だ?」

まともに顔を合わせて話すのはどれくらいだろうか。
小夜は怜の目を見る事が出来なかった。避けていたのは自分なので、気まずいのは誰のせいでも無い。

「それにさ、最近お姉ちゃん話してくれないから、だからこうすれば心を開くかなって」
「別に、避けてない、けど」

避けてないつもり、だった。
しかし怜にしてみれば言い訳にもなっていない。

「よく言うじゃん、裸の付き合いっていうの。心も体も丸裸、ってさぁ」

本当は仲良くしたい小夜にとって、怜の方から近付いてくるのは都合が良かった。
都合が良かったはずだった。
「あのさ、お願いがあるんだけど」

更に聞き出そうとしている。

「お父さんの力になってあげて欲しいの」
「お、お父さんの??」


また尋問されると身構えていたら、思ってもいない事をお願いされた。
どうして自分の父親に協力するのだろう、と小夜は首を傾げる。


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