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襖の向こう
【父娘相姦 官能小説】

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其の温もり-7

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電車を乗り継ぎ、駅からおよそ10分歩いた所に勇志のアパートがあった。
5階立ての1K、コンクリートの白い外観は、寒空の下ではまるで固められたかまくらみたいにも見えた。

「上がって。すぐ暖房つけるから」

入る前に何もないよ、と笑いながら勇志が言っていたが、本当に見渡しても何も無い。
1Kの部屋は広くは無かったがあるのはベッドに冷蔵庫、PC、あとは小さな洋服掛けくらいで、それほど狭く感じなかった。

最低限の物しか置いてないのは、あまり飾らずに自分の言葉を伝えてくる勇志の人と也を現している様にも見える。

(お父さんの部屋とは違う。資料だって言ってたけど、やらしい本とかDVDばっか・・・)

小夜は頭に浮かんだ父親の仕事場を咄嗟に掻き消した。
なんで彼氏の部屋に来て父親の事を考えるんだ、と自分が少し嫌になってしまう。

冷えきったフローリングの床は氷の冷たく、硬い。
そこから上がる冷気が部屋全体を包み込んでいた。

付き合い始めて3ヶ月になるが、勇志の部屋に入るのは初めてだった。


「誰もいないんだね、一人暮らしの部屋って」
「ああ、寂しいよ。本当に帰っても迎える人がいないからさ、帰りたくなくなる時もある」

笑顔に陰が見えた気がして、小夜は思わず切なくなった。

「うちは帰らないと駄目。お父さんも妹も、何も出来なくって」
「小夜は料理も洗濯も出来るんだよな、じゃあ今すぐ一人暮らし出来るよ」
「してみたいなー。たまには一人になってみたいかも」
「でも、迎えてくれる人がいるってのはいいよ。家族と離れて思い知ったからな」
「妹はお帰りの前に今日のご飯何、だよいつも。掃除も自分の部屋しかしないしさぁ」
「ちゃんとするだけいいじゃないか。俺は・・・しないな。埃がたまる物も少ないし」


さっき観た映画の影響か、勇志と小夜はしばらく家族の話で会話を弾ませた。

小夜は、今まで知らなかった勇志の新しい一面を見た事に喜びを感じていた。
どんなに小さな事であっても、それを自分に話してくれるのが嬉しかったのだ。


「・・・寒いな・・・暖房、全然効かないな」


勇志が、小夜の肩に手を回す。
少しの間そのままだったが、小夜が嫌がらないのを見て、顔を自分の方に向かせる。

(んぅ・・・っ、え、なに・・・?むにゅって・・・した、・・・)

勇志が顔を離してから、小夜はようやくキスされたと気付いた。
普段から行動的で引っ張ってくれたが、まさか、これまで自分から・・・

小夜の顔は瞬く間に真っ赤に茹であがってしまった。
家に誘われた時からこうなると漠然と思っていたが、いざ現実になると何も出来ない。


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