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女刑事‐石宮叶那
【OL/お姉さん 官能小説】

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女刑事‐石宮叶那‐ラスト-2

Y埠頭、22番倉庫…。
ホコリ臭くガランと広い倉庫内に窓ガラスにシールドを貼った黒い外車が二台入ってくる。
叶那は積み上げられた飼料袋の陰に身を潜めその様子を伺っていた。
倉庫のほぼ中央で二台の外車がゆっくり止まった。
その一台から三人の男が降りてくる。
知った顔があった。
興亜会の幹部…大滝であった。
後の二人はそれなりの役職にある構成員だった。
続けてもう一台からも三人の男が降りてきた。
そちら東南アジア人が三人。
興亜会の取引相手と見て間違えはない様だった。
叶那は息を潜めながら懐から拳銃を取り出す。
いよいよ決着の時が迫っている。
叶那の心臓は早鐘の様に高鳴っていた。

大滝と東南アジア人の一人がお互いの車のトランクに手をかける。
叶那はジリジリと少しづつ二台の車の方へとにじり寄った。
車の中にはまだ誰か残っているかもしれない。
迂闊に飛び出す訳にはいかなかった。
そして…。
車のトランクが開けられ…その中から各々ジュラルミンのケースが取り出された。
「中のボス…出てくる!」
その時、東南アジア人のリーダー格らしい一人が興亜会側の車に向かってたどたどしい日本語で言い放った。
興亜会側の車の後部シートのドアが開いた。
「!!」
叶那は思わず声を上げそうになった。
権藤、自らもこの取引にやって来ていたのだ。
またとないチャンスだった。
しかも権藤が車を降りたと言う事は普通ならもう車の中には誰も残っていないであろう。
相手は権藤を含め七人だ。
かなり厄介だがやるしかない。
叶那は大きく深呼吸すると拳銃を構え直した。
その瞬間。
東南アジア人の一人が興亜会側に向けて発砲した。
構成員の一人が弾き飛ばされる。
「ヤロウォォ!」
大滝も東南アジア人に向けて発砲する。
バラバラとお互いの車の陰に隠れて発砲し合う興亜会と東南アジア人グループ。
叶那は流れ弾に注意しながら少しづつ間合いを詰めてゆく。
悪党同士の同士討ちは今の叶那にとっては渡りに船だった。
不意をつかれた分、興亜会側は既に二人の構成員が銃弾に倒れていた。
東南アジア人のグループは一人…大滝に撃たれていた。
興亜会側の残っていた構成員も銃弾に倒れた。
権藤を庇いながら発砲を繰り返す大滝。
その大滝に対して果敢に間合いを詰めてゆく東南アジア人。
次の瞬間だった。
興亜会側の車の中から一人の構成員が飛び出してきた。
まだ一人、車に潜んでいたのだ。
突然の事に浮き足立つ東南アジア人たち。
そして決着がついた。
「このバカめ!」
傷を負った東南アジア人のリーダー格に大滝がトドメの銃弾を撃ち込んだ。
残りの二人も既に虫の息の様だ。
悪党同士の銃撃戦は興亜会側の勝利に終わった。
しかし興亜会側も三人の構成員を失っていた。
残るは三人。
今しかない…もう一度大きく深呼吸をする叶那。
「銃を捨てろ!!」
拳銃を構えた叶那が飼料の陰から飛び出た。
だが黙って捕まる程、興亜会側も甘くなかった。
「うるせぇ!」
大滝が間髪置かずに発砲してきた。
止まっていたフォークリフトの陰に転がり込む叶那。
今度は叶那と興亜会の間で銃撃戦が始まった。
残った構成員が車の運転席のドアを開ける。
「逃がすかよ!」
叶那の撃ち放った銃弾が構成員の右肩を撃ち抜く。
「がぁぁぁぁ!」
もんどり打って弾け飛ぶ構成員。
「権藤!もう諦めろ!」
フォークリフトの陰で拳銃を構えた叶那が権藤に向かって叫ぶ。
「るせぇ!死ね!」
権藤も叶那に向かって発砲してくる。


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