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やさぐれ娘は屋上で笑う
【学園物 恋愛小説】

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#01  邂逅-16

「高崎君。もう、お帰りなさい――二度と来てはいけませんよ?そして、口外無用……。ご承知いただけますか?」

「ひぅ――は、はい!」



高崎はソファーの上に放られていた自分と二号、三号のカバンを持つと早足で退室していった。

高崎のために道を開けた黒スーツの二人組み。

内、男の方は高崎の退室と共に何も言わずに廊下の闇へと溶けていった。

私はその、視界から消える瞬間のフワリと揺れた男の頭髪の動きに既視感を覚えた。

だが、その正体を思い出す前にオーナーが――先ほどまでよりも大分、言葉の硬さを崩して――微笑んで口を開く。



「おやおや、珍しく私に頼み込んできたから――。いえ、良いでしょう。空、お嬢さんを送っていきなさい」

「あの……鷺ノ宮さん。車をお借りしても?」

「ああ、貴女は単車でしたか。良いでしょう、私のジャガーをお使いなさい。鍵の場所は分かりますね?」

「はい」

「……では。お嬢さん、今度は正客としてお越し下さることを願います」



最後にオーナー(鷺ノ宮?)は私へこれまでで特上の笑みを浮かべて、去っていった。





「………………」

「………………」



私は助手席の窓から流れていく町並みを眺めた。すぐ左では先ほどの『空』と呼ばれた女が黒スーツも着替えず、運転している。

外車のため、左ハンドルなのだ。

明るいところで見てみると、女性は赤毛を肩口で一直線に切り揃えた中々の美女だ。しっかりとしたお姉さま系、といったところか?

けど……発車してから五分――沈黙が息苦しくなってきた。

家まではまだまだ掛かるし、いっちょ、会話を持ちかけてみっか?



「あの……空、さん?」



けれども、名前も知らない相手だ、どう話しかけたものか?

一応、名前らしきもので呼んでみた。

赤毛の女はチラリと私へと視線を向け、すぐに視線を前方へ戻す。

取っ付きにくい印象通りの反応に私は諦めかけたその時、女が口を開いた。




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