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下校途中の寄り道
【学園物 官能小説】

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下校途中の寄り道 (2)-1

M県立W高校の文化祭は秋が深まる前に開催される。学年主任である正之のクラスでは
メイド喫茶を開店するとし、生徒達が土日を利用して泊まり込みでセットを作ったり
メイド服の調整をしている。セットは片づけるのは2時間ぐらいで終わるが作るのには
まる1日かかるのは珍しくない。そんな中を正之が教室に入ってきた。
「お、大分出来てきたな。」
「あ、先生。あともう少しですがそれには時間がかかりますよ。テーブルの配置とか
部屋の装飾とかもまだ残っていますからね。」
クラス委員の生徒が正之の質問に答える。
「しかし先生が高校生だった頃は文化祭はどうでした。」
「先生の頃は占い喫茶みたいなのをやっていたな。」
「占い喫茶?」
「二人で入ってきた客を飲み物でも飲みながら機械で恋愛運を占うっていうやつさ。
先生の頃はメイドとかそういうのはなかったからな。」
「それ面白そうですね。」
「当時はいい評判だったけどな。そうそう、岡崎先生と先生のクラスメートが食事持ってくるから
それ食べる前に家に互いにシャワー室で体を洗ってくるといいよ。」
「順子先生復帰するんですか?」
「うーん。まだまだ時間かかりそうだな。」
「これで夫婦共に学校で働けますか。」
「何を言っているんだ。」
正之は笑いながらクラス委員の生徒に答えた。
「そう言えば先生の頃はシャワー室とかありました?」
「先生が高校生だった頃は無かったから文化祭の頃は家に帰ってシャワーを浴びてから
また学校に戻って泊まり込みで作業していたな。」
正之は生徒達の作業を見ながら遠目で自分が高校生だったの頃22年前の文化祭での出来事を思い出していた。

正之のいた2年D組ではクラス会議により、文化祭は占い喫茶を開催する事になった。
占い喫茶とは機械でお互いの恋愛運を占いながらジュースやケーキなどを食べるというものだった。
カップルはもとより男同士や女同士の友人でも気軽に入れる店を目指した。
今の生徒同様、泊まり込みでセット作りの作業をしていた。正之は背が高かったので
セット作りの作業にはひっぱりだこだった。
「よし、これで何とかなるな。」
作業は今同様、土日に休み返上で行われた。文化祭は月曜日と火曜日に行われるので
それまでには完成させておかなければならなかった。とはいえ作業は60%は終わっており
日曜日の昼には作業は全て終わる予定で実際そうなった。ただ泊まり込みの作業は
やはり避けられない様子だった。一方、正之の恋人・順子は調理室で喫茶に出す
ケーキなどを試作する作業を行っていた。自らケーキを作り試食するのだ。
「うん、これおいしい!これで行こう。」
順子と友人の石崎紀子の声が調理室に響く。そこへ担任の畑中が教室に入ってきた。
「お、なかなか出来たじゃないか。」
「あともう少しですがこれ泊まり込みじゃないと完成しませんね。」
「そうか。2時だし何人かは交代で家に帰って食事なり風呂入るなりしてくるといい。」
「わかりました。」
正之のサッカー部の相棒でクラス委員でもある本間智樹が機械を設定しながら正之に声をかける。
「俺は後から行くから正之と幸一が先に行ってくるといいよ。」
「いいのか?」
「俺は後からの方が都合がいいのさ。」
「そうか。わかった。ありがとう。」
「ゆっくりしてリフレッシュしてから来いよ。」
「じゃ、俺もちょっと休んでくるか。」
新庄幸一は紀子の恋人で、見かけからして不良少年ぽかった。ちなみに部活はバスケット部である。
幸一も正之の友人の一人だった。
正之と幸一は作業を止めて一時帰宅の準備をすると教室の生徒に一声かけてから教室を出た。


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